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採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント [2014.01.17]

2014年1月


HRプロ株式会社/HR総合調査研究所
代表 寺澤康介 てらざわ こうすけ
(調査・編集: 主任研究員 松岡 仁)


 HRプロ代表の寺澤です。
 現在の採用スケジュールでの最後の年、2015年新卒採用も12月1日に広報解禁となって早くも1カ月がたちました。景況感の回復ムードの中で、就活を楽観視する学生が増え、ここ数年中小企業にも目を向け始めていた流れが、再び大手企業志向に戻ってしまったといわれています。皆さんの会社では、プレエントリーの状況や合同企業セミナーでの面談状況は前年と比べていかがでしょうか。
 弊社では、2013年12月末に企業の採用担当者に対して新卒採用の動向調査を、楽天「みんなの就職活動日記」と共同で就活生に対して就職活動調査を実施いたしましたので、今回はその結果の一部をご紹介していきます。ご参考にしてください。

■企業の採用意欲はさらに高まる

 採用計画数(見込みを含む)では、昨年(2014年新卒)に引き続き「前年並み」が56%と過半数を占めているものの、「(採用数を)増やす」(24%)が「(採用数を)減らす」(5%)を大きく上回る結果となっています[図表1]。

[図表1]2015年新卒者の採用計画数(見込みを含む)



 昨年と今年の違いは、メーカーと非メーカーでの差がほとんどないことです。昨年は、非メーカーの「減らす」は4%だったものの、メーカーは13%が「減らす」とかなりの温度差がありました。2012年秋の政権交代により、円高から円安への動きは見せつつも依然として円高水域にありましたし、海外依存度の高いメーカーはまだ業績がどう転ぶか見極められない状況にあったわけです。それに対して今年は、最高益を更新する企業が何社も現れ、春闘に向けて一時金だけでなくベアも検討されるほど、環境が大きく好転しており、非メーカー(4%)だけでなく、メーカーでも「減らす」は6%にとどまります。
 4月からの消費税率の変更に伴う消費の冷え込みを懸念する声もありながらも、一時的なものにとどまるとの見方も強く、採用意欲は高いままで本格的な選考シーズンに突入するものと思われます。

■中小企業ではプレエントリー減少傾向

 企業のプレエントリー数の対前年比は、大企業・中堅企業と中小企業では大きく異なる傾向が見られます[図表2]。約半数の企業が「昨年並み」と回答しているところは変わらないものの、大企業では「減っている」の24%に対して「増えている」が29%、中堅企業でも「減っている」の19%に対して「増えている」が29%と、プレエントリー数が「増えている」企業が多くなっているのに対して、中小企業だけは「増えている」16%に対して「減っている」が2倍に当たる32%に上っています。景気が良くなると大企業の採用数が多くなり、学生の大手志向がより強くなるといわれていますが、それをよく表すデータとなっています。

[図表2]昨年と比べたプレエントリー数の増減傾向

 学生から見たプレエントリー数を昨年のデータと比較してみましょう[図表3]。
 文系では、「21~60社」の割合が昨年よりも減っている代わりに、「1~20社」「61~80社」が増えています。「141~160社」なども微増しており、全体量としては昨年とほぼ同程度のプレエントリーが企業に届いていることになります。
 理系では、「0社」「1~20社」「81~100社」が減っている代わりに、「21~40社」「61~80社」「201社以上」などが増えています。全体量としては、昨年よりもやや多いプレエントリーが企業に届いていると推測されます。

[図表3]学生のプレエントリー数(文理別)

■大きく伸びた就職ナビの掲載企業数

 ただし、今年一つ気をつけなくてはならないのは、学生のプレエントリーの総量が同程度あるいは微増だとしても、その受け取り側である企業数が大きく違うということです。
 主要な就職ナビである「リクナビ」と「マイナビ」を例にしてみましょう。2014年1月13日現在の「リクナビ2015」と「マイナビ2015」の掲載社数は、それぞれ9731社と1万1109社です。昨年同時期の「リクナビ2014」「マイナビ2014」と比較すると、「リクナビ」で約2000社、「マイナビ」に至っては約5000社も多くなっています。複数の就職ナビに掲載している企業も多数ありますので、純粋にこれだけの社数が受け取り側として増えているわけではもちろんありません。しかし、主な就職ナビのいずれかに掲載している企業数は、昨年対比で4ケタは増えていると推測されます。
 となれば、1社あたりが受け取る平均プレエントリー数は減るわけですから、そんな環境下でもプレエントリー数が増えている企業(勝ち組)と、プレエントリー数が減っている企業との二極化はさらに進んでいるということができるでしょう。大企業、中小企業という企業規模によるだけでなく、普段の生活でなじみのある企業(B to C)とそうでない企業(B to B)、人気業界と不人気業界といったものが複合的にリンクしていることになります。
 プレエントリー数が大幅に減った企業は、早めに対策を考える必要がありそうです。ただし、ここではプレエントリー数の総数のみを見ていますが、もっと大切なのは自社が求める対象(ターゲット層)からのプレエントリーが昨年対比でどうなのかです。総数が減っていても、ターゲット層からのプレエントリー数がそれほど変わらないのであれば、採用広報の戦略は間違っていなかったことになります。

■危機感が強い企業側

 序盤戦で感じた採用・就職活動における企業と学生の関係を、前年との比較という形で尋ねてみました[図表4]。意外と企業規模による差異は大きくなく、全体では「分からない」が46%と最多であるものの、それを除けば「2014年度よりも学生が優位に立っている」が31%、「2014年度同様、学生が優位に立っている」が11%と、「学生が優位に」と感じている企業(合計42%)が「企業が優位に」と感じている企業(合計7%)よりも圧倒的に多くなっています。景気回復による企業側の採用数の増加は、企業同士の優秀学生の獲得合戦を白熱化させることにつながり、企業にとっては苦しい採用活動を強いることになるわけです。

[図表4]採用・就職活動における企業と学生の関係

 もうひとつ別の尋ね方をしてみました。採用における採用学生の量と質の確保に対する自信(手ごたえ)です。昨年との比較で見てみましょう[図表5]。
 「質・量ともに良い学生が採用できそう」は昨年同様6%に過ぎず、「量は問題ないが、質の高い学生の採用は苦戦しそう」は昨年の12%から18%へ、「質・量ともに苦戦しそう」が29%から32%へと増えています。「学生優位に」との認識の下、採用活動は昨年以上に苦戦が必至と考えているようです。それが逆に、リクルーターの組織化や実質採用活動の早期化等へとつながっていくものと推測されます。

[図表5]採用学生の量と質に対する自信(手ごたえ)

■各企業の今年の新卒採用における最重要テーマは?

 最後に、採用担当者が挙げた今年の最重要テーマをご紹介します。

  • 各職種共通で母集団形成の確保(アパレル・服飾、5001名以上)
  • 採用人数の確保、内定辞退者減、選考期間の短縮(アパレル・服飾、5001名以上)
  • 内定承諾率を上昇させること(住宅・インテリア、5001名以上)
  • 優秀層その早期接触による当社認知度の向上(電機、5001名以上)
  • セミナーから内定通知までの選考スケジュールの短縮(百貨店・ストア・専門店、1001~5000名)
  • 学内セミナーへの参加校の拡大、職種別説明会の開催、職種別選考の実施(通信、1001~5000名)
  • メンタル不全リスクの低減(その他メーカー、1001~5000名)
  • 選考基準を面接官にぶれずに共有し、選考すること(情報処理・ソフトウェア、1001~5000名)
  • インターンシップでの母集団形成(教育、1001~5000名)
  • ターゲット校の選定と関係構築(精密機器、1001~5000名)
  • 媒体に頼る待ちの採用と併せ、こちらから欲しい層にアプローチをして採りに行く採用(医薬品、1001~5000名)
  • 3年以内に戦力となり得る総合職の原石探し(美容・理容、501~1000名)
  • 2016年度採用活動を見据えたプレ活動(食品、501~1000名)
  • 採用スキルおよび知識の向上(商社、501~1000名)
  • 採用対象者への効率的なアプローチ(商社、501~1000名)
  • 就労地域にこだわらない柔軟性を持った人材の採用(情報処理・ソフトウェア、501~1000名)
  • 早期の確保と活動終了(医薬品、501~1000名)
  • 量よりも質(ゲーム・アミューズメント・スポーツ施設、501~1000名)

 


 「2016年卒採用に向けて」「選考期間の短縮」「早期活動」「ターゲット校」「内定辞退削減」などのキーワードが多く見受けられます。皆さんの会社の最重要テーマは何ですか?

110506terazawa_pic.jpgのサムネール画像寺澤 康介 てらざわ こうすけ
HRプロ株式会社 代表取締役
HR総合調査研究所 所長

86年慶應義塾大学文学部卒業、文化放送ブレーンに入社。営業部長、企画制作部長などを歴任。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。07年採用プロドットコム(現HRプロ)を設立、代表取締役に就任。約20年間、大企業から中堅・中小企業まで幅広く採用コンサルティングを行ってきた経験を持つ。
http://www.hrpro.co.jp/

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