2023年度 部長・課長・係長クラス・一般社員のホワイトカラー職種別賃金調査

13職種に見る最新実態と諸格差の動向

近年、仕事基準の人材マネジメントを志向する企業の増加とともに、役割給・職務給を導入する企業も多くなっています。こうした中、当研究所では2000年から、職種・職位別賃金調査を実施しており、実在する社員の賃金水準について、職種や職位による区分で尋ねています。本年も例年同様に、経営企画・営業など13職種を対象として、部長・課長・係長クラス・一般社員の4職位の月例給与、年間賞与、年収の各水準データ調査・集計しました。以下では、『労政時報』第4070号(24. 1.12/ 1.26)で掲載した調査結果の主なポイントをご紹介します。

■主な調査項目に見るポイント

1 賃金の支払い形態が月例給与+年間賞与の場合[図表]

職種別に見た月例給与と年間賞与の平均額
  • 部長の月例給与は「経営企画」が最も高く、65.0万円。以下、「法務・特許」が64.6万円、「開発・設計」が64.2万円で続く
  • 部長の年間賞与は「経営企画」が最も高く、343.9万円。以下、「総務・庶務」が340.5万円、「法務・特許」が332.9万円で続く
職種別に見た年収の平均額
  • 部長の場合、「経営企画」が最も高く、1123.4万円。以下、「法務・特許」が1107.6万円、「総務・庶務」が1105.4万円で続く
  • 課長の場合、「研究」が最も高く、890.0万円。以下、「法務・特許」が881.2万円、「営業」が877.7万円で続き、全13職種が800万円台
職位別に見た年収の平均額
  • 部長は1000万円台半ば〜1100万円台前半、課長は800万円台、係長クラスは600万円台、一般社員は400万円台の水準

2 賃金の支払い形態が年俸制の場合

  • 年俸額は、部長が998.8万〜1223.7万円、課長が660.5万〜916.0万円の水準
  • 部長の年俸額は「経営企画」が最も高く、1223.7万円。以下、「生産技術」が1122.5万円、「情報システム(SE)」が1089.6万円で続く

3 付帯調査:「部下なし管理職」の有無と位置づけ、処遇差

  • 部下なし管理職が「いる」企業は69.1%
  • 部下あり管理職と部下なし管理職で処遇差が「ある」のは48.6%

[図表]職位・職種別にみた月例給与・年間賞与・年収の水準

[注]1.全対象者の平均=企業ごとに同一職種に該当する者全員の金額を人数で割って「企業ごとの平均」を出したのち、集計全企業の平均値を求めたもの。最高年収者および最低年収者の平均=年収額が最も高い者を最高年収者、最も低い者を最低年収者としてそれぞれ計上し、集計全企業の平均値を求めたもの。

2.「全対象者の平均」の集計(回答)企業と「最高年収者および最低年収者の平均」の集計(回答)企業は異なるため、「全対象者の平均」と「最高年収者および最低年収者の平均」との間で金額が逆転し得る。

【労務行政研究所調査の調査要領】

1.調査時期:2023年9月1日~11月7日

2.調査対象:全国証券市場の上場企業(新興市場の上場企業も含む)3809社と、上場企業に匹敵する非上場企業(資本金5億円以上かつ従業員500人以上。一部「資本金5億円以上または従業員500人以上」を含む)1713社の合計5522社。

3.集計対象:上記調査対象のうち、回答のあった155社。規模別の内訳は、1000人以上47社、300~999人65社、300人未満43社。



『労政時報』第4070号(24.1.12/ 1.26)の特集記事

1.2023年度 部長・課長・係長クラス・一般社員のホワイトカラー職種別賃金調査(労務行政研究所)

2.「就活ハラスメント」をどう防止するか

3.労働関係法律─基本解説 第7回 変形労働時間制

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