2022年度 モデル賃金・年収調査

年収は大学卒モデル35歳で572万円、役職別では部長1047万円の水準

「モデル賃金・年収調査」は、毎年定例で同時期に実施しており、2023年調査を『労政時報』第4066号(23.11.10)で掲載しました。2023年調査について、調査結果の主なポイントはこちらで紹介しています。

当研究所では1967年から毎年、全国の上場企業を中心に「モデル賃金実態調査」(2003年度からは「モデル賃金・賞与実態調査」)を実施し、各社の定昇・ベアの実施状況や賃上げの配分状況、モデル賃金、年収・賞与の水準等について調べています。今回は、『労政時報』第4045号(22.11.11)の第1特集で掲載した2022年度の同調査集計結果から概要を紹介します。

■主な調査項目に見るポイント

【賃金】

制度上定期的に実施する昇給:導入率は、自動昇給が管理職21.3%・一般従業員42.4%、査定昇給が同様に92.7%・94.9%
2022年度の賃上げ:1企業平均は6644円・2.29%。昨21年度に比べて1565円・0.56ポイント上昇
定昇額・率:5096円・1.75%で、賃上げ全体の75.8%を定昇が占める。ベア実施企業の増加を反映し、定昇の占める割合は低下
ベアの実施状況:49.0%と約半数がベアを実施。昨21年度の27.5%から21.5ポイント増加
賃上げの配分状況:定昇の配分は会社査定分「あり」が98.2%で、ほとんどの企業が査定配分を重視。ベアの配分「あり」は全員一律分が28.1%で最多
モデル賃金の水準:大学卒・総合職で25歳23万6400円、35歳34万6300円、45歳50万1800円、55歳59万2000円
モデル条件別に見た賃上げ:大学卒・総合職の25~40歳では6000~7000円台。いずれの年齢も、定昇が多くを占める
基本賃金の決定要素別構成:職能給40.4%と職務・役割給23.0%を合わせると6割を超え、年齢・勤続給17.8%を大きく上回る

【年収】

1社当たりで見た組合員平均の年収額:平均で497万円(平均年齢38.5歳・平均勤続12.7年)。内訳は、年間定期給与が359万円、年間賞与が138万円
モデル条件別年収(モデル年収):大学卒・総合職では、35歳572万円、45歳844万円、55歳1006万円の水準
役職別に見た年収:部長1047万円、課長828万円、係長593万円

■2022年度のモデル賃金水準

 本調査では、「学歴・職務系統、年齢、勤続年数、扶養家族数の各モデル条件に該当する者で、標準年齢で学校を卒業後直ちに入社し、以後標準的に勤務、昇進して、現在標準的な地位、成績にある者の賃金および賞与(理論値または実在者の数値)」をモデル賃金・年収として調べている。22年度のモデル賃金(通勤手当、時間外手当等を除いた所定時間内賃金)の水準は[図表1]のとおりで、主な年齢ポイントについて見ると、大学卒・総合職では、22歳(初任給)21万6600円、25歳23万6400円、35歳34万6300円、45歳50万1800円、55歳59万2000円である。高校卒・総合職では、18歳(初任給)17万9100円、20歳18万9300円、25歳22万900円、35歳32万3400円、45歳41万4800円、55歳52万9500円となっている。

[図表1]22年度モデル賃金の水準(大学卒・高校卒)

■2022年度のモデル年収水準

 年間定期給与(所定時間内賃金の12カ月分)に賞与を加えたモデル年収の2022年度水準について、総合職の主な年齢ポイントを見ると、35歳では大学卒572万円・高校卒527万円、同様に、45歳では844万円・684万円、55歳では1006万円・887万円である[図表2]
 年収を年間定期給与と年間賞与とに分けて見ると、大学卒・総合職の場合、35歳では年間定期給与417万円に対して年間賞与は155万円、同様に、45歳では602万円と242万円、55歳では713万円と292万円である。

[図表2] 22年度モデル条件別年収および年間定期給与、年間賞与額

【調査要領】

1.調査時期:2022年6月20日~9月7日

2.調査対象:全国証券市場の上場企業(新興市場の上場企業も含む)3770社と、上場企業に匹敵する非上場企業(資本金5億円以上かつ従業員500人以上。一部「資本金5億円以上または従業員500人以上」を含む)1348社の合計5118社。

3.集計対象:上記調査対象のうち、回答のあった220社。規模別の内訳は、1000人以上78社、300~999人83社、300人未満59社。

 「モデル賃金・賞与実態調査」全項目の詳細結果は、㈱労務行政より11月下旬発売予定の『賃金資料シリーズ① 2023年版 モデル賃金・年収と昇給・賞与』(税込価格7,700円)にて掲載いたします。
ぜひご利用ください。

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『労政時報』第4045号(2022.11.11)の特集記事

1.2022年度 モデル賃金・年収調査(労務行政研究所)

2.人事制度事例シリーズ:凸版印刷

3.部下の成長を促す1 on 1ミーティングの進め方

4.2023年卒採用の振り返りと今後の展望

5.2023年版 賃金傾向値表

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