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人事パーソン要チェック! 新刊ホンネ書評 [2021.04.20]

[204]『with & after コロナ禍を生き抜く 新しい企業の人事・労務管理』

(川崎秀明、樋口治朗、平澤貞三、滝口修一、亀谷康弘 著 清文社 2020年10月)

 

 本書は、新型コロナウイルス感染症により変化した会社の経営や勤務形態を踏まえ、社員が感染した場合の対応、在宅勤務や時差出勤のルール構築、人事評価制度や就業規則の見直しなど、人事・労務管理上のポイントを実務家の視点で解説したものです。

 本編は、第1章「感染拡大予防とコロナ禍時代の新しい企業活動」(全9節)と第2章「コロナ禍時代のダメージコントロール」(全3節)から成り、各節の各項は、「基礎編」(対応が必須の事項)、「応用編」(対応の必要性が高い事項)、「発展編」(留意しておいたほうがよい事項)に分類されています。

 第1章の第1節「社員感染時の対応」では、基礎編として、社員が新型コロナウイルスに感染した場合は入院勧告の対象となることや、賃金・休業手当の支払いの要否などについて述べ、さらに、体調不良社員への自宅待機命令の可否や、その場合は休業手当の支払いが必要かどうかを解説しています。続く応用編では、社員と同居している家族が発症した場合や、社員寮居住者が発症した場合の対応を、発展編では、社員の労災認定や会社の法的責任はどうなるかを解説しています。

 第2節「勤務形態の変更に伴う社員対応」では、基礎編で、出社を拒否しテレワークを要求する社員や、逆にテレワークを拒否して出社要求する社員への対応を、応用編では、出社拒否社員に担当変更やワークシェアリングを求める際の留意点などを解説しています。

 第3節「賃金・処遇」では、基礎編として、コロナ禍休業時の賃金・休業手当の支払いの要否や、休業時に有給休暇の活用する方法などを述べています。さらに応用編では、休業手当の算定方法や雇用調整助成金の活用方法を解説し、発展編では、コロナ禍対応に報いるための一時金の支給を提案するとともに、副業・兼業を許可する場合の留意点などを述べています。

 以下、第4節から第7節にかけて労務管理の問題として、オフィスにおける感染防止策、テレワーク、時差出勤・自家用車通勤などについて述べ、さらに第8節、第9節で、就業規則など未整備時の対応や、外注契約の活用などについて解説しています。

 第2章では、第1節「経費削減」で応用編として、オフィス縮小、賃料負担軽減、ワークシェアリングと副業・兼業勧奨、事業所閉鎖と配転命令について、第2節「効率的な人材活用・人員削減とトラブル対応」では、応用編として、「新しい」成果主義の導入、業務フローの検証および改善などについて述べ、発展編として、退職勧奨、整理解雇・雇止めを扱っています。第3節「会社経営が悪化したときの対応」では、応用編として、会社再建手段、事業譲渡・廃業を前提とする清算型の法的倒産手続きについて解説しています。

 法律の専門家ではない人も読者として想定した大判本であり、基本事項に絞った解説となっています。また、法律上の扱いだけでなく、実務上の対応にも踏み込んでいます。活用上の注意点として、本書は実務上の「正解」が書かれているわけではないとし、実務上の「正解」については、専門家に相談することを勧めているのは丁寧であると思いました。通読することで、自身の理解度をチェックしてみるのもよいかと思います。

<本書籍の書評マップ&評価> 下の画像をクリックすると拡大表示になります

※本記事は人事専門資料誌「労政時報」の購読会員サイト『WEB労政時報』で2020年12月にご紹介したものです。

【本欄 執筆者紹介】
 和田泰明 わだ やすあき

 和田人事企画事務所 人事・賃金コンサルタント、社会保険労務士

1981年 中堅広告代理店に入社(早稲田大学第一文学部卒)
1987年 同社人事部へ配転
1995年 同社人事部長
1999年 社会保険労務士試験合格、2000年 行政書士試験合格
2001年 広告代理店を退職、同社顧問(独立人事コンサルタントに)
2002年 日本マンパワー認定人事コンサルタント
2003年 社会保険労務士開業登録(13030300号)「和田人事企画事務所」
2004年 NPO生涯教育認定キャリア・コンサルタント
2006年 特定社会保険労務士試験(紛争解決手続代理業務試験)合格

1994-1995年 日経連職務分析センター(現日本経団連人事賃金センター)「年俸制研究部会」委員
2006年- 中央職業能力開発協会「ビジネス・キャリア検定試験問題[人事・人材開発部門]」策定委員
2009年 早稲田大学オープン教育センター「企業法務概論」ゲストスピーカー

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