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Point of view [2019.02.22]

第129回 深沢真太郎

「数字で議論できる組織」に変える三つの質問

深沢真太郎 ふかざわ しんたろう
BMコンサルティング株式会社 代表取締役
一般社団法人日本ビジネス数学協会 代表理事

ビジネス数学の専門家。人材教育コンサルタント。作家。大手企業をはじめプロ野球球団やトップアスリートの教育研修まで幅広く登壇。独特な指導法で数字や論理思考に苦手意識を持つビジネスパーソンの思考とコミュニケーションを劇的に変えている。メディア出演多数。著作もベストセラー含め累計19冊を数える。

「ウチの社員は数字に弱い」とこぼす経営者や人事担当者にたくさんお会いしてきました。詳しくお話を伺うと、その課題解決のために行った研修として多いものは、「会社の数字を読めるようになりましょう」といった財務研修であったり、「データを読めるようになりましょう」といった分析研修であったりします。ところが、公認会計士の先生やデータ分析の実務家が担当されるであろうこれらの研修を導入しても、なかなか目に見える成果が現れないと聞きます。いったいなぜか。それは、冒頭の「数字に強い(弱い)」という概念の定義が曖昧(あいまい)だからです。

「数字に強い(弱い)」とは何か

私はこの定義を「数量になっていないものを数量にする能力」としています。身近な例でいえば、上司に「なるべく早く処理します」と伝えるのではなく、「1.5時間で処理します」と発言する。当たり前のように思われることですが、数量になっていないものを数量にする能力とはこういうことです。

しかし、多くの企業の従業員はこれができません。例えば自分の仕事の成果を「組織を活性化させた」「部下の仕事の管理徹底を図った」と説明する人がいます。そこで私が「活性化とは?」「管理徹底とは?」と質問すると答えることができません。

何がどうなったら活性化されたことになるのか。何がどうなれば管理徹底されたことになるのか。それが定義されていないことには、そしてそれを数値化しなければ、成果を証明しようがありません。

三つの質問で気づかせる

そのようなことを気づかせるためには、やはり「質問」が有効です。私は教育研修で次の三つの質問をするようにしています。

 

【Q1】あなたの仕事は何ですか?

【Q2】先月の成果は何ですか?

【Q3】それをどう評価しますか?

 

数字に落とし込む意識の低い(あるいはない)方は、どうしても【Q1】の回答に、「活性化」「管理徹底」「効率化」「生産性の向上」などといった"取りあえず言っておけばその場はしのげる"便利な表現を使います。しかしその仕事を数字で説明できるように定義していないので、【Q2】【Q3】も曖昧な表現に終始し、明確に数値で答えることができません。一方、【Q1】で自分の仕事を数的概念で定義できている方は、当然ながら【Q2】【Q3】も数的情報で説明してくれます。つまり違いはたった一つ。【Q1】の質問に対する答え方なのです。

生産性→効率化→生産性(?)

ある企業研修で管理職の方に【Q1】を投げ掛けたところ、「部門の生産性を上げることだ」とお答えいただきました。そこで私が「生産性を上げるとはどういうことでしょうか?」と尋ねると、「効率的に仕事をすることだ」とのお返事。そこで私は再び「では効率的とはどういうことでしょうか?」と尋ねると、長い間のあとに「生産性を上げること…でしょうか」との答え。

そのときの私は思わず笑ってしまいましたが、人材教育の観点では笑えないお話です。このままでは、この方は絶対に生産性を上げることはできません。具体的に何をどうすれば生産性が上がったと評価できるのか、数字で定義しないことには。これが「数字に弱いビジネスパーソン」の正体なのです。

人事担当の皆さまにご提案です。いきなり教育研修をやっても、成果は期待できません。まずはご紹介した「三つの質問」を社内の文化にしてみてはいかがでしょう。この問いにしっかり答えられるコミュニケーションを根付かせるのです。それができれば、必然的に各自が仕事を数字に落とし込んで考え、そして伝える組織に変わっていきます。ぜひチャレンジしてみてください。

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