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人事パーソン要チェック! 新刊ホンネ書評 [2016.07.25]

[94]『プレップ労働法[第5版]』

 (森戸 英幸 著 弘文社 2016年3月)

 

 「プレップ」(予習、準備の意味)という名のとおり、労働法をこれから学び始める人や、実務で労働法の知識が必要となった人向けの入門書です。2006年の初版以来10年を経ましたが、コンパクトながらも労働法の主要な部分を広くカバーしていることに加え、労働法が実際に当てはまる場面を、職場でリアルに交わされていそうな「会話」で織り込みながら分かりやすく解説しているため、初学者だけでなく実務者の間でも安定した評価を得ているのではないかと思います([第5版]という改訂数からしても)。

 今回は2013年刊行の[第4版]から3年ぶりの改訂ですが、労働者派遣法、障害者雇用促進法の改正に対応する一方で、全体でB6版300ページぐらいのボリュームに抑えているため([第3版]の時は330ページあった)、法律の本というより、やや厚めの新書本のような感覚で読めるのがいいです。
 "職場でリアルに交わされていそうな「会話」"と書きましたが、

・イイズカ人事部長

「キミは思ってたより使えないので、本採用しないことにします」

・内定者マオさん

「えー、そんなあ……今さらそんなこと言われたって困ります。だいたいですね、そんなに使えるヤツだったらこんな会社に来てないと思います」
ストンと腑に落ちたイイズカ「……(一理あるな)」

・モンスター契約社員ナナコ

「なんで私には通勤手当が支給されないんですか? ただ契約が有期だから、ですよね? これは不合理な契約条件の相違です! ああ差別! ああ格差社会!」

・ヤマナカ人事部長

「違うよ! 会社まで徒歩5分のところに住んでいるからだよ!」

――などといった、漫才のような会話が満載で、楽しみながら読めることは請け合いです。分厚い教科書で労働法を勉強しようとして挫折した人も、本書であれば、軽いノリで学べるのではないでしょうか。

 ただし、そうしたとっつきやすさもさることながら、解説のほうは、最新の裁判例や近年の労働問題のポイントなども踏まえながら、かなり労働法の深い部分に分け入っているため、ただ書かれている内容を覚えるというよりも、考えながら読む要素が大きく占める本でもあります。その意味では、テキストとして初学者向けに限られるものではなく、今まで労働法をある程度学んできた実務者が読んでも、もの足りなさを感じることはないのではないかと思います。

 いわば、「柔らかい」けれども「骨のある」内容です。実際、これまでも改訂の度に本書をこっそり(?)読んでいた人事部や法務部の人もおられるかもしれませんが、あらためて人事パーソンに広くお薦めしたいと思います。

<本書籍の書評マップ&評価> 下の画像をクリックすると拡大表示になります

※本記事は人事専門資料誌「労政時報」の購読会員サイト『WEB労政時報』で2016年5月にご紹介したものです。

【本欄 執筆者紹介】
 和田泰明 わだ やすあき

 和田人事企画事務所 人事・賃金コンサルタント、社会保険労務士

1981年 中堅広告代理店に入社(早稲田大学第一文学部卒) 
1987年 同社人事部へ配転
1995年 同社人事部長 
1999年 社会保険労務士試験合格、2000年 行政書士試験合格 
2001年 広告代理店を退職、同社顧問(独立人事コンサルタントに) 
2002年 日本マンパワー認定人事コンサルタント 
2003年 社会保険労務士開業登録(13030300号)「和田人事企画事務所」 
2004年 NPO生涯教育認定キャリア・コンサルタント 
2006年 特定社会保険労務士試験(紛争解決手続代理業務試験)合格 
    
1994-1995年 日経連職務分析センター(現日本経団連人事賃金センター)「年俸制研究部会」委員 
2006年- 中央職業能力開発協会「ビジネス・キャリア検定試験問題[人事・人材開発部門]」策定委員 
2009年 早稲田大学オープン教育センター「企業法務概論」ゲストスピーカー 

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