jin-jour(ジンジュール) |人材育成、リーダーシップ、モチベーション、メンタルヘルス対策など 人事の視点から、働く人と会社の関係を元気にする情報を発信

ログイン
MENU

メニュー

×

新任担当者のための労働法セミナー [2014.11.21]

第31回 年少者(労働基準法56~61条)


下山智恵子
インプルーブ社会保険労務士事務所 代表 特定社会保険労務士

今回のクエスチョン

Q1 飲食店を経営しています。このたび、アルバイトの高校生を採用しました。夜は何時まで働かせることができますか?


A1 原則として、夜10時まで働かせることができますが、それ以降は禁止されています(労働基準法61条)


 満18歳未満の年少者を午後10時から午前5時までの深夜に働かせることは禁止されています。ただし、16歳以上の男性を交替制で働かせることは例外として認められています。

年少者についての深夜労働についての定め
原則:18歳未満は午後10時~午前5時(児童は午後8時~午前5時)に
   働かせてはならない
例外:次のいずれかの場合は働かせることができる
 ①一定期間ごとに昼勤・夜勤が入れ替わる交替制で使用される16歳以上の男性
 ②交替制勤務の場合(労働基準監督署の許可を得て、午後10時30分まで、
  または、午前5時30分からの労働)
 ③農林水産業、保健衛生業、電話交換業務
 ④災害等による臨時の必要がある場合の時間外、休日労働

【解説】

■満20歳未満の未成年者を働かせるにはさまざまな制限がある

 労働基準法では、20歳未満の者を次のように定義し、保護する定めをしています。

 満20歳未満未成年者
 満18歳未満年少者
 満15歳に達した日以後の最初の3月31日までの者児 童


 ここでは、それぞれの年齢ごとの定めについて説明します。

【1】未成年者(20歳未満)

■労働契約は本人と結ばなければならない(労働基準法58条)
 未成年者を雇う場合であっても、労働契約は本人と締結しなければならず、親権者もしくは後見人は、未成年者に代わって労働契約を締結することはできません。そのため、親との間で労働契約を結んでも、労働契約は成立しません。
 また、未成年者が労働契約を締結するには、法定代理人(親権者または後見人)の同意が必要になります(民法5条)。
 なお、未成年者が締結した労働契約が、本人にとって不利であると親権者、後見人または労働基準監督署長が認めた場合は、契約を解除することができます。

■賃金は本人に支払わなければならない(労働基準法59条)
 未成年者は、独立して賃金を請求することができます。親権者や後見人が未成年者の賃金を代わりに受け取ることは、禁止されています。
 なお、親権者等が代理に受け取った場合には、受け取った者が法違反となると同時に、賃金を支払った使用者も労働基準法24条(賃金の直接払い)違反となります。

【2】年少者(18歳未満)

■年齢を証明するものを備え付けなければならない(労働基準法57条)
 年少者を雇った場合には、年齢を証明できるものを事業場に備え付けることが義務づけられています。氏名と生年月日を確認できる、「住民票記載事項証明書」を備え付けるとよいでしょう。

■1日8時間、1週40時間を超えて働かせてはいけない(労働基準法60条)
 年少者には、1日8時間、1週40時間を超えて働かせることはできず、36協定を締結しても、時間外労働・休日労働をさせることはできません。
 また、変形労働時間制やフレックスタイム制を採用している会社でも、年少者に適用することはできません。週44時間の特例が認められている事業場であっても、年少者には認められず、週40時間になります。
 ただし、次のいずれかの場合は、例外として認められています(児童を除く)。
①1週の労働時間が40時間以内で、1週のうち1日の労働時間を4時間以内に短縮すれば、他の日の労働時間を10時間まで延長することができる。
②1週について48時間以内、1日について8時間以内であれば、1カ月単位の変形労働時間制または1年単位の変形労働時間制を適用できる。
③災害等による臨時の必要がある場合で労働基準監督署長の許可を得た場合は、(または事後遅滞なく届出)時間外労働、休日労働させることができる。
※年少者も未成年者ですから、【1】未成年者 で説明した定めも守らなければなりません。
 

【3】児童(15歳に達した日以後の最初の3月31日までの者)

■中学生を働かせることはできない(労働基準法56条)
 原則として、児童(15歳に達した日以後の最初の3月31日までの者)を働かせることはできません。
 ただし、非工業的事業で、健康や福祉に有害でない軽易な作業であれば、満13歳以上(映画の制作・演劇の事業では満13歳未満も)の児童を修学時間外に働かせることができます。
 この場合、所轄の労働基準監督署長の許可を得る必要があります。

■児童を雇う場合は学校長の証明書が必要(労働基準法57条2)
 児童を雇う場合には、次の書類を備え付けなければなりません。
 ・年齢証明書(住民票記載事項証明書など。18歳未満の年少者を雇うとき必要)
 ・学校長の証明書(修学に差し支えないことを証明)
 ・親権者または後見人の同意書

■児童は1日7時間を超えて働かせてはならない(労働基準法60条)
 児童を働かせる場合は、1日7時間、1週40時間まで(どちらも修学時間を通算して)とされています。
※児童も【1】未成年者、【2】年少者の定めを守らなければなりません。


《復習&応用問題》

Q2 アルバイトを募集したところ、高校生のようにも見える人が応募してきましたが、本人は20歳と言っています。このような場合、本人の言葉を信用して年齢証明書を備え付けなくてもよいでしょうか?


A2 満18歳未満の者の年齢証明書を備え付けなかった場合は、法律違反となります

 18歳未満の者を雇う場合には、年齢を確認する義務は会社にあります。そのため、18歳未満であるかどうか疑わしい者について、労働者の申告を信用して年齢証明書を備え付けなかった場合は、労働基準法違反になります。

Q3 このほかに、高校生を雇う上で注意しなければならないことはありますか?


A3 危険・有害な業務をさせてはいけません(労働基準法62条)

 年少者には、危険な業務や、重量物を取り扱う業務、安全・衛生・福祉に有害な業務として法令で定められたものに就業させることは禁止されています。
 例えば、毒劇薬などの有害な原材料を取り扱う業務や、高温や高圧の場所での業務などがこれに当たります。

※本記事は人事専門資料誌「労政時報」の購読会員サイト『WEB労政時報』で2013年10月にご紹介したもの
 です。


こんなときどうする? Q&Aでわかる! 労働基準法
  特定社会保険労務士 下山智恵子 著/労務行政
  A5判・256頁・1,782円

●人事・総務担当者なら知っておきたい、よくあるケース・実務のポイントを123問のQ&A形式で解説!

●労働時間、解雇、賃金など、問題となりがちな項目について、労働基準法の定め・取り扱い等を図解入りで解説

 第1章  労働基準法とは?
 第2章 「労働時間」の基本を押さえる
 第3章 「賃金」の基本を押さえる
 第4章 「休暇・休業」の基本を押さえる
 第5章 「妊娠~出産~育児関連、年少者」の基本を押さえる
 第6章 「退職・解雇」の基本を押さえる
 第7章 「労働契約・就業規則」の基本を押さえる

書籍の詳細、内容見本の閲覧、ご注文はこちらをクリックしてください

下山智恵子 しもやまちえこ
インプルーブ社会保険労務士事務所 代表 特定社会保険労務士

 大手メーカー人事部を経て、1998年に下山社会保険労務士事務所を設立。以来、労働問題の解決や就業規則作成、賃金評価制度策定等に取り組んできた。 2004年には、人事労務のコンサルティングと給与計算アウトソーシング会社である(株)インプルーブ労務コンサルティングを設立。法律や判例を踏まえたうえで、 企業の業種・業態に合わせた実用的なコンサルティングを行っている。著書に、『労働基準法がよくわかる本』『もらえる年金が本当にわかる本』『あなたの年金これで安心!―受け取る金額がすぐ分かる』(以上、成美堂出版)など。


労務管理、人事評価、ハラスメント対応など充実のコース!

労務行政eラーニング 詳しくはこちら

禁無断転載
▲ ページの先頭に戻る

ログイン

×

人事・労務に役立つ商品・サービス検索

  • カテゴリとジャンルから検索

検索

注目商品ランキング 新着商品