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新卒採用の実務ポイント [2014.03.25]

7.採用プロセスの実行(1)

 

HR総研(ProFuture株式会社)

【項目目次】
[1]コンペで制作会社を選ぶ
[2]最重要の採用ホームページ
[3]良い採用ホームページの条件
[4]採用ホームページはコミュニケーションツール
[5]スマートフォン利用学生への対応
[6]入社案内は動機アップのツール
[7]良い入社案内の条件
[8]ソー活の現状

[1]コンペで制作会社を選ぶ

 コンペとは、複数の制作会社に人事部の意図を伝えて、採用ホームページや入社案内の構成やコンセプト、表現方法、デザインなどを競わせることです。制作会社に伝える内容は、予算、制作物の種類、ボリューム、取材撮影の範囲、制作の意図、狙いたい学生像、気に入っている他社の採用ツールなどです。制作会社への説明は、一堂に会して説明する形式と、1社1社を呼んで説明する形式があります。
 制作会社は、人事からの説明を受けて、企画書、見積、カンプ(仕上がり見本)の制作に入ります。この期間は2週間から3週間かかります。コンペに呼んだ全制作会社から企画書やカンプの提出を受けたら、人事内で話し合い、制作を依頼する会社を決めます。この期間は3日から1週間くらいでしょう。
 コンペを行うことのメリットは、複数の提案の中から選択できること、価格面でも競争心理が働くことから若干低めの見積が提出されることなどが挙げられます。ただし、上記のように1カ月近くの時間を消費しますので、信頼できる制作会社があるのであれば、むやみにコンペをする必要はありません。それよりも、その制作会社とコンセプト、表現方法についてじっくり議論を交わしながら制作を進めていくほうが良いでしょう。
 こうしていよいよ制作が始まります。取材が必要な採用ツールの制作は、短くても1カ月半、平均すれば2~3カ月程度の時間が必要です。ホームページの公開希望日から逆算して制作に着手しなければなりません。

[2]最重要の採用ホームページ

 採用ツールの中でも特に重要なのは採用の「顔」になる採用ホームページです。
 就職ナビに掲載しているから、自社の採用ホームページを作らなくていいという企業もありますが、それは勘違いです。就職ナビの企業情報は各社同一フォーマットであり、差別化を図ろうとしてもキャッチを工夫するくらいのことしかできません。
 また、学生は自社の採用ホームページを持たない企業の採用意欲を疑います。就職ナビはあくまでもきっかけであり、セミナーや採用ホームページの内容で志望度を高めていくことになります。

[3]良い採用ホームページの条件

 良い採用ホームページは、学生が会社説明会に来たくなるように誘導する力を持っています。作り方に正解はありませんが、個性的な採用の顔を作って他社と差別化するための要件ははっきりしています。
 まずトップページ。インパクトがあり、企業の特徴(個性)がすぐ理解できなくてはいけません。就職シーズン中に、少なくとも数十社、多ければ100社以上の採用ホームページを見ている学生が相手なので、一目見て印象に残らないものは見逃されます。
 中身では、将来の夢を語ってください。会社のオフィシャルホームページは、現在を説明するものですが、採用ホームページは学生が入社してから働く数年後の企業像を示すものです。希望と夢がなくてはなりません。
 多様な社員を登場させることも重要です。彼らの証言によって、職場の雰囲気や仕事の中身を伝えるのです。
 新人を含む若手社員の紹介で親近感を出し、中堅社員のプロジェクト紹介などで仕事の面白さ、やりがいを感じさせます。中堅を出すことで、キャリア形成の実例を見せることができます。

[4]採用ホームページはコミュニケーションツール

 採用ホームページは、学生を会社説明会へ誘導し、ターゲット学生を正式エントリーにつなげることが目標ですが、新卒採用では学生がプレエントリーしてから会社説明会に実際に参加するまでに時間がかかることもあります。中には、プレエントリーした事実すら忘れてしまう学生もいるでしょう。
 学生に忘れられず、会社説明会への参加を動機付けるために、定期的なコミュニケーションを取らねばなりません。コミュニケーションを取るか取らないかで、説明会への参加率が大きく変わります。
 一般的には、定期的に採用ホームページの内容を更新(掲載情報を追加)し、メールで知らせることが多いようです。その際、学生から質問を受け付け、代表的な質問にホームページ上で回答するのも良い工夫です。

[5]スマートフォン利用学生への対応

 採用ホームページの作成で注意したいのは、スマートフォンと呼ばれる多機能携帯電話で就職ナビや採用ホームページにアクセスする学生が増えていることです。代表的なスマートフォンは、iPhoneとAndroid端末であり、現在ではほとんどの学生(約9割)が利用(2012年12月、HRプロ調べ)しており、おそらく利用率は今後限りなく100%に近づいていくものと予測できます。
 スマートフォン専用のホームページを作るかどうかは、かなり重要な課題です。スマートフォンでは、PC版のホームページを閲覧することもできますが、ページごとにいちいち拡大しないことには本文を読むことはできませんので、読み手はストレスを感じます。また、スマートフォンのうちiPhoneでFlash動画を見ることができないため、Flashは使うべきではないでしょう。
 もっとも専用ホームページを作るのはそれほど難しいことではありません。すでにあるPC版採用ホームページをスマートフォン用に変換してくれるサービスもあります。

[図表1]スマートフォンの利用状況

[6]入社案内は動機アップのツール

 採用ホームページと入社案内の役割は若干異なります。採用ホームページは、プレエントリー前の学生も閲覧しますから、プレエントリーへつなげるために「いかに採用母集団を集めるか」、プレエントリー者に向けては「いかに会社説明会に誘導するか」が役割となります。一方、入社案内は、プレエントリー者あるいはセミナー・説明会参加者が対象となりますので、「いかに採用母集団を集めるか」ではなく、「いかに正式エントリーにつなげられるか」が役割となります。
 会社説明会はその場の印象が決め手ですが、入社案内は学生が説明会からの帰途や、自宅で読むもので、後々まで手元に残ります。また親が読むこともあります。他社の入社案内と読み比べられても十分差別化される個性的なものを作りたいものです。

[7]良い入社案内の条件

 入社案内は、採用ホームページ以上に個性的であることが必要です。会社や事業の細かな説明などは採用ホームページに任せて、入社案内は他社との差別化ポイントを前面に出すべきです。明確なコンセプトと、会社の強み・特徴がすぐに伝わる内容、デザインを採用しましょう。
 内容は学生が「共感」できるものです。会社が実現しようとしているビジョンや夢をしっかりと伝え、学生が自分の入社後のイメージをダブらせることができる若手社員(20代半ば)、そして憧れをもって見る中堅社員(20代後半~30歳前後)を出して語ってもらうのが良いでしょう。さらに、経営層による理念や今後の戦略についての力強いメッセージもあると良いでしょう。

[8]ソー活の現状

 「ソー活」とはソーシャルメディアを使う就職(採用)活動です。代表的なソーシャルメディアは、FacebookやTwitter、mixiなどです。
 HRプロの調査では、採用活動でのソーシャルメディア利用は徐々に広がってきてはいますが、それによる効果を確認できている企業はそれほど多くなく、ブームや横並び意識で立ち上げられている企業が多いようです[図表2]。

[図表2]“ソー活”の実施(継続)意向

 学生のFacebook利用も増えており、大学生の大半がプライベートで利用していると言われます。しかし就活での利用は、Facebook採用サイトを積極的に見ているわけではなく、友人との情報交換が多いようです。閲覧した採用ホームページの数では、文系の約8割、理系の約9割が3社以下だと回答しています[図表3]。

[図表3]企業採用ホームページの閲覧状況(閲覧社数)

 プライベートではFacebookを利用しているわけですから、使い方が分からないのではなく、プライベートな自分のFacebookとリンクされてしまうことに抵抗感があるようです。それが閲覧社数が伸びない最大の理由となっています。
 ソーシャルメディアの特徴は、双方向メディアであることです。採用ホームページは、学生とのコミュニケーションを図るため定期的な更新通知メールを出したり、質問を受け付けたりしていましたが、本質的には企業から学生への片方向のコミュニケーションです。
 ところがFacebookなどのソーシャルメディアは双方向で、採用担当者の負担は大きくなります。双方向コミュニケーションではレスポンスの速さが重要ですが、採用担当者に不特定多数の学生からの発信にいちいち答えていく余裕があるとは思えません。
 その一方で、学生をより深く理解でき、企業と学生の絆を太くするという効果もありそうです。
 ソー活の専門サイトや、ソー活採用支援サービスもあるので、導入を検討するなら、メリット、デメリットを調べるために専門会社からヒアリングすることをお勧めします。

[本稿共同執筆者]
 HR総研(ProFuture株式会社)
   所 長 寺澤 康介 / 主任研究員 松岡 仁 / ライター 佃 光博


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