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名言、故事成語に学ぶ人材マネジメントの本質 [2013.02.27]

第9回 リーダーとは何者か?~先人たちの言葉から「リーダー」「リーダーシップ」を考える


名言、故事成語に学ぶ人材マネジメントの本質(9)
太期健三郎 だいごけんざぶろう
(ワークデザイン研究所 代表)

 ことわざ、故事成語などにはリーダーに関するものが数多くあります。時代や国を超えて考え続けられてきたテーマなのでしょう。今回はいくつかの言葉から「組織内でのリーダーの意義、役割、行動」や、「そもそもリーダーは育てられるのか?」などを考えていきましょう。

■リーダーとは何者か?

 リーダー、リーダーシップという言葉はよく見聞きすると思います。では、「リーダーとは何者か?」と尋ねられたらどのように答えるでしょうか。
 英和辞典を引いてみましょう。
 「リーダー【leader】[名詞]先導者、指導者、指揮者、統率者…」という言葉が並んでいます。
 経営の視点で考えれば、リーダーとは「企業などの組織、集団を代表、指導、統率する人物」、「組織の目的を達成するための指導者、責任者」となります。

 それでは、リーダーはどのような能力、資質を備えている必要があるでしょうか。先人たちの言葉を見ていきましょう。

 『孫子』(中国春秋時代の思想家 孫武()の作とされる兵法書)には「将とは、智(ち)、信、仁、勇、厳なり」とあります。五つの文字それぞれを簡単に説明すると、「1.智(知恵があること) 2.信(人から信頼されること) 3.仁(いたわりの心があること) 4.勇(勇気があること) 5.厳(厳しさがあること)」となるでしょう。
 ※中国古代の武将・軍事思想家。兵法書『孫子』の作者。

 クラウゼヴィッツ)は、指揮官の備えるべき資質、能力として「知性と情熱を兼ねる高度な精神」「危険を顧みず自身の行動に責任を負う勇気」「不確実な事態における洞察力」「洞察に基づく具体的な行動する決断力」などを挙げています。
 ※19世紀のドイツの軍人、軍事学者。『戦争論』の作者。

 『アメリカ海軍 士官候補生読本』では、「勇気」「信頼」「ユーモアのセンス」「謙虚」「自信」「常識」「判断力」「健康」「エネルギー」「楽天主義」が挙げられています。
 「ユーモアのセンス」「楽天主義」を挙げているところがユニークですが、確かに必要なように思います。

■リーダーはどのように行動するべきか?

 「リーダーシップは地位ではなく、行動である」と言われます。
 地位、役職はあるけれど、行動しない人では困りますよね。それでは「名ばかり管理職」ならぬ「名ばかりリーダー」です。
 リーダーがリーダーたる所以(ゆえん)が「行動」であるならば、リーダーはどのように行動するべきでしょうか。それに関する言葉を拾ってみます。

 日本の言葉で考えると、「言行一致」「率先垂範」がすぐに浮かんできます。
 リーダーは、言うことと行動が一致していなければなりませんし、人の先頭に立って物事を行い模範を示さなければならないでしょう。

 一方、海外に目を向けるとどうでしょうか。ナポレオン()は「リーダーとは『希望を配る人』のことだ」と言っています。私はこの言葉が大好きです。導くべきゴール、目標とともに「希望」を示すことで部下のモチベーションは高まるでしょう。
 ※ナポレオン1世:フランス革命期の軍人・政治家。フランス皇帝

 「荒海はリーダーシップを試す本物のテストである。穏やかな海では、どんな船長もいい船長だろう」というスウェーデンのことわざがあります。平時ではなく有事の時、変革の時にこそリーダーの行動が試されます。

 リーダーがとるべき行動を端的に示した先人たちの言葉を、個人も組織もしっかりと理解しておくべきでしょう。

■リーダーを育成することは可能か?

 リーダー育成について誤解されることがあります。それは「リーダーは生まれつきの資質を持った者であり、育てることはできない」というものです。
 しかし、リーダーを育てることは可能ですし、育てなければならないでしょう。育成方法の一例を、私の経験から示します。

(1)リーダーシップの基本を学ばせる

先に述べた「リーダーの役割、資質、行動」を示し、理解させます。

(2)早い時期からリーダーを経験させる

リーダーとして経験し、苦しみ悩み、試行錯誤しなければ学べないことも少なくありません。小さな組織からスタートし、できるだけ若いうちにリーダーを経験させ、場数を踏ませます。

(3)上司と組織がフォローを行う

若い時期からリーダーを経験させても、本人に任せっ放しではなくフォロー、サポートを行い、行動の間違いがあれば正します。

 (1)はリーダーを育てるためのOFF-JT(職場外訓練)、(2)と(3)はOJT(職場内訓練)といえるでしょう。

■まとめ

 数多くの言葉からリーダーについて考えてきました。今回のコラムのポイントを整理します。

1.リーダーとは「組織の目的を達成するための指導者、責任者」である

2.リーダーには「言行一致」「率先垂範」が求められ、有事、変革の時にこそ真価が問われる

3.リーダーを育てる要諦は「リーダーというものを理解させ」、「経験させ」、「フォローする」を徹底すること

 変化が激しく、先行きが不透明な現在ほどリーダーの意義が問われる時代はありません。リーダーの育成が企業経営の成否を決めると言っても過言ではないでしょう。
 元楽天イーグルス監督の野村克也氏は言っています。「組織はリーダーの力量以上には伸びない」と。

太期健三郎(だいごけんざぶろう)profile
1969生まれ。神奈川県横浜市出身。人事コンサルタント/ビジネス書作家。三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社)、株式会社ミスミ、株式会社グロービスを経て、ワークデザイン研究所代表に就任。コンサルタントおよび現場実務の両者の立場で一貫して人材マネジメントとキャリアデザインに取り組む。主著『ビジネス思考が身につく本』(明日香出版社)。
ワークデザイン研究所のホームページ http://work-d.org/
ワークデザイン研究所代表のブログ http://blog.livedoor.jp/worklabo/


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