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使える!統計講座 【深瀬勝範】 [2012.08.14]

第43回 産業ごとの生産状況を調べる ~工業統計調査など~

使える! 統計講座(43)
深瀬勝範 ふかせかつのり(社会保険労務士)

 自動車や電気製品などの生産状況は、新聞やテレビのニュースで報道されることがあります。しかし、インターネットを通じて、記事やニュースの情報ソースとなっている統計調査にアクセスすれば、より詳しい情報を入手することができます。
 今回から数回に分けて、経済産業省が実施している産業別の統計調査の見方・使い方を紹介します。

1.経済産業省が実施する産業別の調査

 自分の仕事に関係がある産業の状況は、常に把握しておきたいものです。
 経済産業省では、製造業、卸売業・小売業、サービス業などの産業ごとに事業構造や売上高の動きなどを調査した結果を公表していますから、ある産業の状況を把握したいときには、それをチェックするとよいでしょう。
 経済産業省が行う産業別の統計調査は、大きく2種類に分かれます。
 一つは、「工業統計調査」のように、1年ごと(「商業統計調査」の場合は5年ごと)に行われる調査です。この調査からは、事業所数や売上高などの産業全体の動きや構造を把握することができます。もう一つは「動態調査」といわれる毎月行われる調査で、ここからは、その産業における生産量などの月ごとの変動を読み取ることができます。
 調査は、工業(製造業)、商業(卸売業・小売業)、サービス業(ソフトウェア業・出版業・賃貸業など)の三つの分野で行われていますが、それぞれの調査の中では、さらに細かな業種に区分されてデータ集計がなされています。
 
[図表1]経済産業省の主な産業別統計調査

2.「工業統計調査」を見る

 今回は、これらの統計調査のうち、製造業に関するものを見ていきましょう。 
 「工業統計調査」では、日本標準産業分類に掲げる「大分類E-製造業」に属する事業所(国に属する事業所および従業者3人以下の事業所を除く)の事業所数、従業者数、製造品出荷額、付加価値額などが産業別あるいは都道府県別に表示されています。 
 [図表2]は、「工業統計調査」から、自動車部分品・附属(ふぞく)品製造業の従業者数、現金給与総額、原材料使用額、製造品出荷額などのデータを抜粋したものです。現金給与総額は、従業員数で割れば「従業者1人当たりの年間給与」(533万5088円)に換算することができます。また、原材料使用額や付加価値額を生産額で割れば「原材料費率」(58%)や「付加価値率」(33%)を算出することができます。自社の状況を統計と比較するときには、このようなデータ加工を行うと分析しやすくなります。

[図表2]「工業統計調査」のデータ(自動車部分品・附属品製造業の場合) 

 「工業統計調査」では、約700の業種に分けられて、データが集計されています。これを見れば、それぞれの産業の特徴が大まかにつかめますし、また、自社のデータと同産業の統計データとを比較することによって、経営上の課題を見つけることもできます。

3.「生産動態統計」を見る

 「工業統計調査」では、1年に1回しか行われないため、調査から結果が公表されるまでに時間がかかりますし、また、月ごとの生産量の変化を捉えることはできません。現在の生産の動きをタイムリーにつかみたいときには、毎月実施されている「生産動態統計」を見るとよいでしょう。
 [図表3]は、乗用車の生産台数の推移をグラフ化したものです。月ごとの生産台数の凹凸が大きく、傾向がつかみにくいため、赤線で「3区間移動平均〔各月について、その前3カ月間の生産台数の平均をとったもの〕」※を表示しました。 

[図表3]乗用車の生産台数の推移(2008年1月~2012年5月) 

 これを見ると、リーマンショック後の2008年末頃、および東日本大震災が発生した2011年3月から数カ月間は、乗用車の生産台数は大きく落ち込んでいること、そして、それぞれ数カ月後には、生産を回復させていることが分かります。現在は、すでに東日本大震災が発生する前の状態にまで回復しているものの、リーマンショック発生前の生産台数と比べると、まだ10万台ほど少なくなっています。
 このように「生産動態統計」を見れば、ある製品の生産、販売、在庫の状況に関する最新のデータを入手することができます。

移動平均は、一定区間のデータの平均をとることにより、グラフの細かい凹凸をならして、全体的な傾向をつかみやすくする手法です。エクセルで作成したグラフの場合、移動平均を示す曲線は、グラフ上の任意のデータを右クリックし、そこで表示されたメニューボックスで「近似曲線の追加」→「移動平均(区間3)」選択すれば、自動的に表示されます。

 ところで、生産量などの変動を見るのであれば、実際の数値よりも、ある時点を基準として指数化したほうが使いやすそうです。そこで、経済産業省は、「生産動態統計」などを基礎データとして「鉱工業指数」を算出し、それを毎月公表しています。次回は、この「鉱工業指数」について説明します。

<関連リンク>
 ・経済産業省 「工業統計調査」
 ・経済産業省 「生産動態統計調査」

深瀬勝範(ふかせ・かつのり)Profile
社会保険労務士
 1962年神奈川県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、大手電機メーカー、金融機関系コンサルティング会社、大手情報サービス会社を経て、2001年より現職。営利企業、社会福祉法人、学校法人等を対象に人事制度の設計、事業計画の策定等のコンサルティングを実施中。


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