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[2011.07.04]

懲戒解雇に相当する労働者について、懲戒解雇としない代わりに退職金の受け取りを放棄させることは認められますか?


A 労働者が自由な意思に基づいて、退職金の請求権を自ら放棄した場合には、使用者は退職金を支払う必要はありません。

1.自由な意思に基づく退職金請求権の放棄

退職金も賃金ですので、賃金の全額払いの原則(労働基準法第24条1項)が適用となります。賃金の全額払いの原則とは、賃金を労働者に支払う際は、その全額を支払わなければならないという原則です。
しかし、労働者が退職金請求権を放棄した場合には、使用者がその放棄された退職金を支払わなくとも、全額払い原則違反にはなりません。ただし労働者による退職金請求権を放棄する意思表示は、全額払いの原則の趣旨に鑑みて、それが労働者の自由な意思に基づくことが明確でなければならないとされています(参考資料①)。

2.退職金請求権放棄の意思表示の具体例

退職金請求権の放棄が有効なものとなるには、労働者の自由な意思に基づいたものであるとはっきりしていることが前提となります。具体的な裁判例は下記のとおりです。

(1)強制わいせつ容疑で現行犯逮捕された労働者から、懲戒解雇ではなく依願退職扱いにしてもらう代わりに退職金を放棄すると申し出を受けたケースでは、退職金放棄の意思表示を有効としました(参考資料②)。
(2)幹部労働者が、会社の再建に協力するために退職金の支払いを免除する旨の書面を作成したケースでは、書面作成の経緯などから退職金放棄の意思表示が自由な意思に基づいてされたものであると認められました(参考資料③)。
(3)労働者が退職する際に提出した「同業他社に就職した場合には退職金を放棄する」旨の誓約書について、誓約書は労働者にとって一方的に不利益な内容であることなどから、労働者の自由な意思に基づくものとは言えないと判断されました(参考資料④)。

<参考資料>
①シンガー・ソーイング・メシーン・カムパニー事件(最高裁二小 昭48.1.19判決)
②日本体健事件(大阪地裁 平14.7.12判決)
③総合労働研究所事件(東京地裁 平14.9.11判決)
④東京コムウェル事件(東京地裁 平15.9.19判決)

回答者:本田和盛 社会保険労務士(あした葉経営労務研究所 代表)


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