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[2011.07.04]

退職金制度の変更に関して、労働組合と労働協約を締結することで以後の支給額を減額することはできますか?


A 一般論としては可能です。ただしその内容が、労働組合の目的を逸脱するものであれば効力を持ちません。

1.労働協約による退職金制度の不利益変更

退職金制度を変更することにより退職金の支給額を減額することは、労働条件の不利益変更になりますが、これを労働組合と労働協約を締結することで行うことができます。労働協約を通じた労働条件の不利益変更は、労働条件の維持・改善を目指す労働組合の目的に反するとして、個々の組合員の同意がない限りは許されないという考え方もあり得ますが(参考資料①)、団体交渉がギブ・アンド・テイクで進められる場合もあることから、労働協約によって労働条件を不利益に変更することも原則として許されるというのが一般的な考え方です。
しかし、労働協約の締結を通じた労働条件の不利益変更が無条件に許容されているわけではありません。最高裁の判例は、「特定のまたは一部の組合員をことさら不利益に取扱うことを目的として締結」されたなど、「労働組合の目的を逸脱して締結」された場合には、その効力は組合員に対して及ばない場合があるという判断を示しています(参考資料②)。

2.労働協約による不利益変更が許容される場合

不利益変更が許容されるか否かの判断について、上記最高裁判決では会社が組合と協議を重ね、また組合も委員会、職場集会での討議や投票を重ねていたなどの①労働協約が締結されるまでの経緯、そして、②会社の経営状況、さらに③変更後の内容の合理性に照らして、変更が許容されるという判断を示しています。

3.労働協約の効力

労働協約の効力は原則として組合員にのみ及びますが、当該事業場に常時使用される同種の労働者の4分の3以上を占める多数者が加入する労働組合が締結した労働協約であれば、同一職場の組合員以外の同種の労働者にも効力が及ぶことになります(労働組合法第17条)。ただし、この場合にも、少数組合の組合員には効力が及びません。また非組合員についても、その内容が「著しく不合理であると認められる特段の事情があるときは」、効力が及ばないとされています。

<参考資料>
①大阪白急タクシー事件(大阪地裁 昭53.3.1決定)
②朝日火災海上保険(石堂)事件(最高裁一小 平9.3.27判決)

回答者:本田和盛 社会保険労務士(あした葉経営労務研究所 代表)


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