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[2010.11.30]

就業規則を不利益に変更することはできませんか?


A 就業規則を不利益に変更することは原則許されませんが、変更内容に合理性があれば認められます。

1.労働条件の不利益変更

定年延長に伴い賃金を減額する場合、合併後に賃金水準を各社で統一する場合、成果主義制度を導入する場合など、労働条件を不利益に変更せざるを得ないケースがあります。この場合、個々の労働者全員の合意を得ることが原則です(労働契約法3条、9条)。しかし、1人でも反対者が出たとき、就業規則を変更できないのであれば、実務上非常に困ったことになります。

2.就業規則の不利益変更法理

そこで、就業規則の不利益変更について判断した裁判所の考え方(就業規則の不利益変更法理)が参考になります。判例(参考資料①)では、就業規則の一方的な不利益変更は許されないが、就業規則の変更が「合理的なもの」である限り、労働者はその適用を拒否できないと判断しました。

この就業規則変更の合理性ですが、会社側の「変更の必要性・内容」と労働者側の「不利益の程度」を比較することでまず判断されます。特に「変更の必要性・内容」については、賃金・退職金などの重要な労働条件の変更の場合、より「高度の必要性に基づいた合理的な内容」であることが求められます(参考資料②)。

労働者が被る「不利益の程度」が大きい場合は、関連する労働条件の改善状況等や代償措置(参考資料③)、社会的相当性(同業種で比較した場合妥当か)なども加味して、合理性が総合判断されます。さらに労働組合との交渉手続きや、労働者の大部分を占める多数組合と合意があったかどうか(参考資料④)も判断に影響を与えます。

また、不利益を緩和する経過措置を講じたかどうかも判断に影響しています(参考資料⑤)。この経過措置は、近年の成果主義制度導入に関連する不利益変更でも論点になっています。

3.労働契約法

労働契約法(10条)も、上記の判例法理を踏襲していますが、それに加えて、就業規則の不利益変更が認められたとしても、労働者と使用者が「個別合意していた部分」については、変更しないと規定しています。これは例えば、転勤しないことを使用者と労働者が個別に合意していれば、就業規則改定で転勤規定を設けても、その労働者との関係では転勤規定が適用にならないということです。

<参考資料>
①秋北バス事件(最高裁大法廷 昭43.12.25判決)
②第四銀行事件(最高裁二小 平9.2.28判決)、みちのく銀行事件(最高裁一小 平12.9.7判決)
③御国ハイヤー事件(最高裁二小 昭58.7.15判決)
④第一小型ハイヤー事件(最高裁二小 平4.7.1判決)
⑤第四銀行事件(最高裁二小 平9.2.28判決)、ハクスイテック事件(大阪高裁 平13.8.30判決)

回答者:本田和盛 社会保険労務士(あした葉経営労務研究所 代表)
http://profile.allabout.co.jp/pf/honda/

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