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守島基博氏インタビュー [2010.07.15]

守島基博氏インタビュー(5) 現場との新しいつながりへ――「人事部のトリセツ」のススメ


今回は、人事がよりよく役割を果たしていくために、経営に対して、そして現場に対して何を発信していくべきか、についてうかがった。

守島基博氏

■「何を大切にすべきか」を人事からポリシーとして打ち出す

――評価以外の機会をとらえて社員にスポットを当てるとすると、会社としてあるいは人事として、どんな切り口から“光っている人”をピックアップするかがポイントとなりますね。

おっしゃるように、ポイントになるのは、「自社の人材にある“何”を大切にしたいか」という部分です。それが明らかで、社内で共有されていれば、自ずと「光っている人」や「注目すべき人」はみえてくると思います。

例えば、先にも例に挙げたアサヒビールの場合は、「連帯感」がキーワードといえます。我が社の強みは「連帯感」にあるから、その視点から、貢献している人をピックアップする、という具合です。あるいは技術力が強みの会社であれば、当然、「技術で光っている人」に注目することになるでしょう。

この先自分の会社で、人材に求めるものとして何を大切にしていきたいのか、組織としてどういう強みを備えていきたいのかということをクリアにしていくことも、人事にとってとても大切なことだと思います。

――人事として経営の方向性を踏まえたうえで、「こういう人を大事にしていきたい」「こういう人を育てていきたい」というポリシーを明確にする必要があるわけですね。

もちろん、経営の視点からそうしたことを常々考えている優れた経営者も少なからずおられます。でも実際のところ、多くの経営者は短期的な業績や株価の動向に目が行きがちですね。いまのような経営環境の下ではそれもある意味当然のことだと思います。

そうした中で、「ここがうちの人材の強みなんです」とか、「うちの会社は連帯感の強さで支えられていて、そこを失うと企業として弱くなってしまいます」というようなメッセージを経営に対して発信していけるのは、やっぱり人事しかいないと思うんです。

ともすれば経営層が忘れてしまいかねない「組織としての強み」を見失わず、それをどう守っていくか。少し大げさかもしれませんが、それを守るために人事は命を賭ける、というぐらいの覚悟が必要なのだと思います。

■「人事部のトリセツ」のススメ

――人事として、求められる役割を果たすために自ら変わっていくべき部分もあれば、現場からの働きかけで変えていくようなアプローチやかかわり方もあるのではないでしょうか。

人事と現場との新しい関係を考えるなら、まずは人事のほうから「ボールを投げる」ことが必要でしょうね。

現場からみると、人事部は何か、窓のない部屋で数字と人の名前を扱っている部門にみえるかもしれないけれど、そうではないんだよと。実は現場にとって、すごく役に立つ部門なんだっていう意識をもっと持ってもらえるといいと思うんです。

そのために、例えば「人事部の使い方ハンドブック」とか「人事部の取り扱い説明書」みたいなものを現場に配ったりするのも一つの手だと思います。そうした理解を通じて、現場のほうで「人事がなんかやってくれるかもしれない」「こういうことを頼んだら、人事が今の状況を変えてくれるかもしれない」という意識を持ってもらうわけです。

人事の側から、単に仕事を頼むだけではなく、積極的に現場へのメッセージをどんどん発信していくべきだと思いますし、現場ももっと人事に文句を言っていい。こういう問題があるとか、ここを変えてほしいとか、昔であれば労働組合がくみ取っていた部分だと思いますけれど、これからはそういうコミュニケーションを、現場と人事が直接、積極的にやっていくことが大切だと思います。

守島基博(もりしまもとひろ) Profile
1982年慶應義塾大学大学院社会学研究科社会学専攻修士課程修了。1986年に米国イリノイ大学大学院産業労使関係研究所博士課程修了、組織行動論・労使関係論・人的資源管理論でPh.D.を取得し、カナダ・サイモン・フレーザー大学経営学部助教授。1990年慶應義塾大学総合政策学部助教授、1999年同大学大学院経営管理研究科教授を経て、現在一橋大学大学院商学研究科教授。主な著書に『人材マネジメント入門』(日経文庫)『人材の複雑方程式』(日経プレミアシリーズ)などがある。


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