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守島基博氏インタビュー [2010.06.22]

守島基博氏インタビュー(2) 現場と人事、ギャップを越える改善策は?


第1回目は、「現場と人事の見えざる距離」を指摘してくれた守島基博先生。
第2回目の今回は、その距離を埋めるためのヒントをうかがった。

守島基博先生

■人事は「職場の健康管理者」。でも現状は情報不足?


――現場と人事とのズレがある中でも、例えば職場の風土や雰囲気が沈滞しているとか、現場にしてみると人事に積極的にアクションをとって変えてもらいたい、と考えている部分もあるのではないでしょうか。

現場では、働く人の意識改革や職場の活性化といった問題に対して、人事が何かアクションをして変えてほしい、という期待はあると思います。

私が思うに、人事には「職場の健康管理者」の役割、これは人の健康そのものではなく、人が集まる「職場の健康」に意を払う管理者としての役割があると思うんです。社内がちゃんと活性化しているか、ストレスが出ていないかとか、普段から気を配って情報を集めることが大切ですが、いまはそこがあまりできていないんですね。

いくらか人事にもゆとりがあった昔は、スタッフが現場に出ることも多かったので、そこで話をすることができましたが、いまはそうした機会がだんだんなくなってきています。

■「人事の人数が少ないから」は言い訳にすぎない

会社イメージカット

――情報やコミュニケーションの不足は、やはり人事の人数そのものが減っている影響が大きいのでしょうか?

こう言うと人事の方々に怒られるかもしれませんが、人数が少ないからできないというのは、私はちょっと言い訳の部分があると思っているんです。
例えば、アサヒビールの場合は、人事スタッフの人数はすごく少ないんです。同じ規模で比べれば、他の会社の7割くらいの人数ですが、社員全員との面接を毎年必ずやっています。ですから、必ずしも人数が少ないから現場との接点が作れない、情報が集められないということはないと思うんですね。

私は、これからの人事は、人材にまつわる情報がいままで以上に育成や活用のカギを握る“情報戦”の時代だと思っているんです。でも現実をみると、多くの企業の人事が握っている人材に関する情報というのはとても劣化してしまっていて、もう少しきちんと組み直さなければいけない状態にみえます。
情報の集め方にしても、昔は比較的時間に余裕があったので、極端に言えば、ザブっと海をすくってその中に雑魚に混ざって価値のある魚が少し入っていればいいな、というようなやり方をしていたんです。つまり、現場に行って担当者に会って、ものすごく時間をかけて一から情報を組み立てていたんですが、そんな時間もゆとりもいまはありません。

それでもいまは、情報収集やコミュニケーションに活用できるITツールがたくさんあります。例えば、日常からWEBで収集できるもの、メールで確認できるところは直接人に会わずに済ませて、本当にキーの部分だけ、ピンポイントの情報を現場へ出向いて集めてくる、というふうにしていけばもっと効率的に情報が集められるはずです。
実際に人事の方とこういう話をすると、やはり「人が少ないから」とか、「現場が嫌っているからと」よく言われるのですが、それは言い訳であって、本当に必要なピンポイントの情報だけに絞って、きちんと人事が現場に出向いて集めてこないといけないと思うんです。

守島基博(もりしまもとひろ) Profile
1982年慶應義塾大学大学院社会学研究科社会学専攻修士課程修了。1986年に米国イリノイ大学大学院産業労使関係研究所博士課程修了、組織行動論・労使関係論・人的資源管理論でPh.D.を取得し、カナダ・サイモン・フレーザー大学経営学部助教授。1990年慶應義塾大学総合政策学部助教授、1999年同大学大学院経営管理研究科教授を経て、現在一橋大学大学院商学研究科教授。主な著書に『人材マネジメント入門』(日経文庫)『人材の複雑方程式』(日経プレミアシリーズ)などがある。


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