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BOOK REVIEW 【編集部】 [2011.11.04]

BOOK REVIEW(57)もしも引っ込み思案のマネジャーの義父が、世界的に高名な経営学者だったら…?


『ミンツバーグ教授のマネジャーの学校 成長を可能にする新しいプログラム』
フィル・レニール、重光直之著 ダイヤモンド社
四六判・188ページ 1500円(税抜)

ミンツバーグ教授の マネジャーの学校 ミンツバーグ教授の マネジャーの学校

実話を基に分かりやすく解説した良書
単なる人材育成の枠を超えた組織変革の方法論
ミンツバーグのマネジャー教育のエッセンスがここに
「コミュニティシップ」の具体的方法論を伝える1冊

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■悩めるマネジャーに訪れた、奇跡的な出会い

主人公は、ITベンチャーの若手マネジャー。どうにかプロジェクトを成功させようと手を尽くしているが、もともと「引っ込み思案のエンジニア」気質であるため、日々のマネジメントにも苦心が続く。何度かのリストラ危機の後、会社が突然買収され、冷徹なコストカッター型の女性上司が着任。一方でチームはまったく機能せず、部下たちは愚痴とあら探しばかり――。

そんな中、ふと思い出した。確か、母の再婚相手は有名な経営学者(!)だったはず。主人公は、義父に連絡をとって、自分の状況を相談してみることにした。

――どうでしょうか。まるで最近はやりの、ライトノベル仕立てのビジネス書のような展開ですが、これはまったくの実話なのです。

■世界的経営学者である義父のアドバイスは、とてもシンプルなものだった

本書の主人公、フィル・レニールは、実際に2000年前後の「ドットコム・バブル」(日本で言うところのITバブル)のさなか、ITベンチャー企業で開発チームのマネジャーとして働いていた人物です。

そして、彼の義父である経営学者の名前は、ヘンリー・ミンツバーグ教授。『マネジャーの仕事』(白桃書房)、『マネジャーの実像』(日系BP社)といった著書でマネジャーたちと行動を共にし、その仕事と行動を分析してみせる一方、『MBAが会社を滅ぼす』(日系BP社)では、「マネジャーをいかに育てるか」という命題を正面から取り上げました。かのピーター・ドラッカーにも匹敵するほどの評価を持つ、世界的に高名な経営学者です。

そんな二人が出会い、フィルはミンツバーグ教授にアドバイスを求めます。

多くの悩めるマネジャーにとっては、こんな偉大な身内に相談できるフィルの境遇がうらやましく思えるかもしれません。しかし、教授のアドバイスは、非常にシンプルなものでした。

「お互いの経験を振り返って語り合い、内省する時間を持つといいだろう。リフレクション、だ」

■簡単なようで難しい「リフレクション」

リフレクション(内省)という言葉は、マネジメントに関するさまざまな場面でクローズアップされています。

ミンツバーグ教授の『MBAが会社を滅ぼす』で出てくるこの言葉の定義は、以下のようなものです。

「検討、調査、分析、総合、結合を通じて『(ある経験の)自分にとっての意味をじっくり慎重に考える』こと」

こう見ると非常にシンプルな概念ですが、その人の持つ固定観念や主観、個人的な感情が邪魔をするため、過去の経験を洗い直して自分の行動を認識し直すというのは難しいものです。

しかもミンツバーグ教授は、内省を個人的に行うのではなく、みんなで集まって対話しながら行うことを示唆しました。異なる経験、意見を通して自分の経験を見つめることで、「新たな意味を見いだしやすくなる」という、さらなる効果が生まれるのです。

■ランチタイムにマネジャー同士で集まって、自主的な勉強会を始めた

このシンプルなアドバイスを受けて、フィルはランチタイムにマネジャー同士で集まり、自主的な勉強会を始めました。勉強会の名前は、「コーチング・アワセルブズ」。

MBAを取っている者などがいるわけではないため、誰が講師になるというわけでもありません。ただ、1週間に1時間、マネジャー同士で自分たちの仕事を振り返り、経験や感じたことを話し合って共有し始めたのです。

もちろん、始めからうまくいくはずもなく、初回は単なる愚痴の言い合いに終わるのですが、それでも何かが変わり始めます。

■ミンツバーグ教授の経営理論書を実践活用するための、格好の副読本

本書では、フィル自身がたどった成長物語をベースに、「リフレクション」「コーチング・アワセルブズの具体的プログラム」「戦略クラフティング」といった実践的な知識が、共著者である重光直之さんによって明快に解説されます。そのため、いわゆるマネジメント理論の本とは一線を画す、分かりやすい本になっています。

ミンツバーグ教授の数々の経営理論書を読み解き、実践的に活用するための、格好の副読本としても使える1冊です。

目次

はじめに:ミンツバーグ教授とともに挑んだ再生物語――フィル・レニール
本書の読み方:ミドルマネジャーを不完全燃焼から救い出す道――重光直之
序 章 バブル崩壊、そして突然のリストラ
第1章 ある日、会社が買収された
第2章 義父、ヘンリー・ミンツバーグ教授
第3章 ランチタイムから始めよう
第4章 芽生え始めた、小さな変化
第5章 そして、キャリアや人生も変わる
終章 対話によって、深い内省を促す
出版に寄せて――ヘンリー・ミンツバーグ
巻末付録 ミンツバーグ教授の横顔

著者Profile

フィル・レニール
コーチング・アワセルブズ創設者。1970年、カナダ・モントリオール生まれ。マギル大学にて電子工学を学び、1991年卒業の後、大手通信会社の研究機 関で働く。コンコルディア大学にて音楽を学ぶ傍ら、1996年Java開発会社の起業を経て、1999年音声認識ソフト開発企業に入社。同社にて買収後の マネジャーのモチベーションを上げるため、ヘンリー・ミンツバーグ教授の助言の下、マネジャー育成のためのセッションを開始。

重光 直之
株式会社ジェイフィール取締役。株式会社ニイタカ、社団法人日本能率協会を経て現在に至る。ヘンリー・ミンツバーグ教授との出会いを機に、ミドルマネ ジャーを元気にする「リフレクション・ラウンドテーブル」を日本に導入し、プログラム開発とファシリテーターを担当。「感じる研修エンジニアリング」の普 及にも力を入れ、マネジメント・スキットの開発や、演出家を招いての役作り研修など、多彩なプログラムを展開中


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