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現役ヘッドハンターが指南する“デキる社員”はここが違う 【佐藤文男】 [2011.12.06]

“デキる社員”はここが違うケーススタディ(10)-転職を考えている場合-


現役ヘッドハンターが指南する“デキる社員”はここが違う(17・完)
佐藤文男 さとうふみお
佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役

今回はケーススタディの最終回として、転職を考えている場合、“デキる社員”はいかに対処すべきかを考えます。
いまや転職することは珍しいことではなく、一般的になりました。しかし、人材コンサルタント(ヘッドハンター)として私の経験から言えば、安易に転職を考えるべきではないと考えます。特に新卒で入社して2~3年もたたないうちに転職をし、その後も転々と職を変えてしまうと、ビジネスの基本や専門性を身に付ける時期に腰を据えて仕事に向き合うことができず、その後のキャリア形成においてマイナスの影響を与えかねません。
それでは、ふと転職が頭をよぎった場合、果たしてどう行動すべきでしょうか。今回取り上げるのは、新卒で入社して2年目の若手社員のケースです。

■希望に添わない配属をきっかけに転職が頭をよぎる

Qさんは、大手銀行に勤務する20代の社員です。新卒で入社して2年目を迎え、都内の支店で営業に飛び回る日々を過ごしています。日々の仕事は充実しているものの、実はQさんは転職を考えています。

Qさんは現在の会社に入社する際、海外関連の仕事に従事したいと思い、M&Aの部署への配属を希望していました。帰国子女であるQさんは英語力も高く、大学時代は経済学部でM&Aを研究するゼミナールに所属していたので、希望どおり、あこがれの海外関連部署へ配属されるものと思っていました。しかし、現実には得意の英語を使うことがほとんどない支店の営業に配属となりました。それでも入社1年目は気合も十分で、顧客回りに力を入れ、全支店の中で新人賞を獲得するほどの営業実績を上げました。しかし、2年目にはその気合もややトーンダウンしてしまい、つい転職を考えてしまう日々が続いています。

上司に相談したところ、3年間現在の支店で頑張ったら、本店の海外関連部署への人事異動を打診してくれると言われたものの、果たして実現するかどうかはわかりません。

さて、Qさんがもしも“デキる社員”であるならば、この状況をどう打開すべきでしょうか?

■目の前の仕事を仕方なくこなすか、創意工夫で全力で立ち向かうか

Qさんのように入社2年目ともなると、会社全体のことも徐々にわかってきて、自分の将来のキャリアビジョンが描けないと悩む20代のビジネスパーソンは意外に多いようです。特に入社前に想定していたのと異なる部署に配属された場合には、つい転職を考えてしまいがちです。

社会人になって最初の会社に入社したら、最低3年間は与えられた目の前の仕事に打ち込むことに意味があると言って過言ではありません。転職するかどうかは最終的に本人の判断ですが、私の持論としては、新卒で入社した会社では「目の前の仕事に対して、創意工夫を凝らして、全力投球で立ち向かい、将来のためのキャリアの礎を築くように」とアドバイスしています。

ビジネスパーソンとして、もらう給料分以上に成果を出していくには、仕事に対する前向きな姿勢が不可欠であり、そうした前提があってこそ、どんな仕事でも意義あるものに変えることができると考えています。

■まずは3年間、脇目も振らずに仕事に打ち込んで実績を上げること

それでは、Qさんはこの現状にどう対処すべきでしょうか?

まずQさんは、転職を考える前に現在の職場で実績を出すべきでしょう。いくら1年目に営業実績で新人賞を獲得したといっても、2年目、3年目にどういう実績を残せるかが大切なのです。1年目の実績にあぐらをかくことなく、2年目、3年目も継続して実績を上げられるように努めることこそが、今のQさんには求められているのです。

また、現在の仕事では英語はほとんど使う機会がないようですが、自己啓発として英語力のブラッシュアップを図り、通勤時や週末をうまく活用することも大切です。そして、3年間現在の職場で全力投球してから、上司に海外関連の部署へ異動をお願いしてみましょう。会社に社内留学や海外でのMBA取得コースの制度があれば、部署への異動の代わりに海外留学へ志願してみることも一つの手です。

それから3~5年間経過してもなお、海外関連の部署異動や海外留学への実現可能性が難しいとなった場合に初めて、転職を視野に入れればよいと私は考えます。転職に際しては、仕事を通じて自分の強みを見いだし、さらにそれに磨きをかけていって“市場価値”を高めておかなければ成功する確率は低いと考えるべきでしょう。したがって、まずQさんは、現在の部署で3年間はしっかりと営業に全力投球してほしいというのが、私からのアドバイスです。

■実績を上げてもなお、希望する部署へ異動できなければ、そのときは転職を考える

経営環境の厳しさを反映して、転職そのもののハードルが上がってきていますが、それでも20代の若手社員に、仕事への不満や人間関係の苦労から安易に転職を考える人が少なくありません。もちろん転職に正解はありませんが、「新卒で入社した会社では、目の前の仕事に3~5年間は全力投球し、その後は希望する部署への社内“転職”にアプローチして、実現が難しければ、そこで初めて社外への転職を考えるべき」というのが私の持論です。約15年間人材コンサルタント(ヘッドハンター)としての経験を積んできた今でもこれだけは変わりません。

profile 佐藤文男 佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役 一橋大学法学部を卒業後、総合商社、外資系証券会社、メーカーといった異業種においてキャリアを積み1997年に人材サーチ(ヘッドハンティング)ビジネスへ。2003年に佐藤人材・サーチを設立。 著書は共著1冊を含め転職に関する本を12冊出版。 主な著書に『40歳からの転職術」(日経BP社)、『ヘッドハンティング・バイブル』『転職後、いい仕事ができる人の条件』(共に経済界刊)。2011年3月に『転職のバイブル2012年版』を経済界より出版。 佐藤人材・サーチ ホームページ: http://www.sato-jinzai.com/


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