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後悔しない大人のための読書論 【木山泰嗣】 [2011.05.17]

本を読む時は、奥付を見ながら?


後悔しない大人のための読書論(17)
木山泰嗣 きやまひろつぐ
鳥飼総合法律事務所 弁護士

今回は、意外に知らない本の楽しみ方をご紹介します。それは奥付(おくづけ)です。奥付とは、本の巻末に付いている書名や著者、発行者、出版年月日などが記載されている部分のことです。ここにはさまざまな情報が詰まっているのです。

奥付は、情報の宝庫?

本を読む時にも、私が必ず実践している習慣がある。奥付をチェックすることだ。奥付は、本の後ろのページに綴じられている「本のデータ」が記録された部分だ。

奥付には、「情報の破壊力」がある。破壊力などというと、なにをおおげさなと思われるかもしれない。しかし、奥付を見ながら本を読むと、実にさまざまなことが分かる。

本を読む時は、奥付を見ながら

奥付には、何が書かれているか?

そもそも、奥付には、何が書かれているだろうか? すぐにスラスラと答えられる人は、すでに奥付を活用されている方である。

普段、奥付を見ていない方は、著者名とか出版社名…くらいしか思いつかないかもしれない。しかし、著者名や出版社名は、奥付を見なくても、表紙などにも書かれている。奥付にある固有情報ではない。

奥付で最も重要な情報は、「出版年月日」と「増刷回数」である。

なぜ、出版年月日と増刷回数が重要なのか?

「出版年月日」は、文字どおり、その本が出版された日付だ。ここを見ると、新刊なのか、古い本なのかが分かる。新しい本なのか、ふるい本なのかという基準はどうでもよいようだが、そうではない。なにをもって価値を感じるかは、人それぞれだが、少なくとも次のことが分かるからだ。

新しい本は、情報鮮度が高く、当然に今日の時代感覚をもって書かれている(他方で、内容が優れているかは時代の評価を経ていないので分からない)。古い本の場合、古いにもかかわらず絶版になっていないということは、読み継がれてきた良書である可能性が高い。

奥付の底力

増刷回数の意味は?

この時に重要なのは「増刷回数」である。「2010年12月21日 第28刷」と表記されていたら、28回も増刷されているということだ。本の増刷率は、平均して3割程度といわれている。7割の本は、出版されても増刷(重版)されずに終わるということだ。そんな中で、増刷が繰り返されている本は、多くの読者に受け入れられた(売れた)ということである。

ただし、増刷回数がいくら多くでも、それだけで本当に良書かどうかまでは分からない。本の内容ではなく、タイトルや時代の勢い、著者の名前だけで売れてしまった本もあるからだ。

ここで意味を持ってくるのが、「出版年月日」である。「出版年月日」と「増刷回数」を合わせて見ると、その本の本当の価値が分かってくる。30、40年も前に出版され、増刷回数が30、40刷という本がある。こういう本は、世代を越えて多くの人に読み継がれてきた本である。それだけ内容に普遍性がある可能性が高いといえる。

著者の年齢も計算して読むと…

さらに合わせ技がある。その本が書かれた時の「著者の年齢」を計算する方法だ。奥付には、著者の略歴・プロフィール欄もあるものが多い。

まず、この欄の「生年」(「1920年生まれ」など)を見て、存命の著者の場合は、現在の年齢を計算する(2011年―1920年=91年<歳>)。故人の場合は、もし生きていたら何歳の人かを仮定で計算し、自分の身の回りの人で近い年齢の人をイメージする(祖父や祖母など)。

次に、出版年月日と合わせて計算し、その本が書かれた時の著者の年齢を計算してみる(出版年月日が1955年であれば、1955年-1920年=35年<歳>ということで、著者が35歳の時の作品だと分かる)。自分の現在の年齢と照らしてみると、いろいろな見方ができる。

特に名の知れた作家や偉人が、何歳でその本を書いていたのかを見るクセを付けたい。「人生はダッシュ記号だ」とダニエル・T・ドルービンは言っている。著者の年齢を感じながら読むと、その人間に対するリアリティを強く感じることができるようになる。


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