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これからの日本企業の生きる道【前川孝雄】
中里良一さん(有限会社中里スプリング製作所社長 )
[2011.07.29]

リーダーが責任を負ってこそ、社員はついてくる:これからの日本企業の生きる道(15)


人づくり、組織づくりの達人に聞く これからの日本企業の生きる道(15)
多様な基準で社員を評価する③[まとめ]

株式会社FeelWorks代表取締役 前川孝雄

中里スプリング製作所 中里良一 社長編

ここまで、(13)~(14)では、「嫌いな企業との取引を打ち切る権利」を中心に、社員と多角的に接する中里社長の信念をインタビューしてきました。しかし、この権利そのものを自社に取り入れるのは、ハードルが高いかもしれません。ここでは、この制度のもたらす効果や、成功しているコツを前川氏のまとめを通して明らかにし、多くの企業・職場に通じるエッセンスをお届けします。

多様な基準で社員を評価する③
リーダーが責任を負ってこそ、社員はついてくる

●ソーヤー効果とは

アメリカの著名ジャーナリストのダニエル・ピンクは、著書『モチベーション3.0』において「ソーヤー効果」について述べています。

マーク・トウェインが著した物語『トム・ソーヤーの冒険』で、壁のペンキ塗りを言いつけられた主人公のトムは、友達に向かってペンキ塗りがいかに楽しいかを語ります。ペンキ塗りを「仕事」ではなく「遊び」ととらえたその友達は、自分のリンゴをトムに差し出してペンキ塗りをやらせてもらうのです。

仕事と遊びの境界線は、実は明確ではありません。一つ言えるのは、皮肉なことに「お金のために」と考えることが「やらなくてはいけない」という思考を生みがちであるということです。ダニエル・ピンクは「報酬は行動に対して奇妙な作用を及ぼすのだ。興味深い仕事を、決まりきった退屈な仕事に変えてしまう」と述べています。
逆にいえば、楽しいからやるのだと思えれば、同じ仕事をするのでも自ら「やりたい」と思えるようになるということです。中里さんが考えた「嫌いな取引先を打ち切る権利」は、仕事そのものが楽しく純粋に没頭していくというフロー状態をいかに作れるか、ソーヤー効果の壮大な実験ととらえることもできます。

●お金ではなく、多くの人の「応援したい」というエネルギーが企業の浮沈に影響力を持つ

私は、今の日本企業には「本当に応援したい」と思える取引先の仕事を最優先することが必要だと思います。3.11ショック以降、善い行いをしたい、善い行いをする企業を応援したいという機運が高まっています。

お金ではなく、多くの人の「応援したい」というエネルギーが企業の浮沈に影響力を持つことは、短期的な収益から長期的な収益へと経営の視点を引き上げることにもつながるはずです。高い収益が見込めるからといって、意義を感じられない仕事をいやいやながらやっているのでは、社員にとって仕事は苦役でしかなくなってしまうでしょう。そのような仕事を長期的に持続するのは困難です。自社の商品やサービスを届ける相手は、短期収益を物差しにして決めるべきではありません。

だれに届けたいのか、心から応援したいと思える取引先はどこなのかを真剣に考えることが大切なのだと思います。

●リーダーが責任を負ってこそ、社員はついてくる

もう一つ学ぶべきポイントは、中里さんの「リーダーとしてリスクを負う姿勢」です。「尊敬できないお客様の仕事は断っていい」という基準を設けるだけでなく、実際に取引を打ち切る際は自ら責任を持って新たな取引先を開拓される姿勢には感じ入ります。

もちろん、「リーダーが自ら営業する」というやり方は、企業の事情によっては必ずしも最適な方法ではない場合もあるでしょう。本質は「最後は自分が責任を取る」という度量の大きさにあります。リーダーが責任を負ってこそ、社員はついてくるものなのです。


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