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プロが語る 成果を上げる社員の条件【佐藤文男】
戦略と組織研究の第一人者 米倉誠一郎さん編
[2011.06.16]

戦略と組織研究の第一人者 米倉誠一郎さんが語る“デキる社員”の条件~ 研修で育ててもらうのではなく、仕事を与えてもらえる環境に身を置く。人手不足の会社は、成長のための最高の環境(3/3)


各分野のプロが語る 成果を上げる社員の条件(30)

米倉誠一郎さん

(一橋大学イノベーションセンター長・教授)

インタビュアー:佐藤文男(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)
文:千葉はるか(パンクロ)

各分野で活躍されている10人の方にご登場いただき、“デキる社員”にはどんな思考、行動様式が求められるのかに迫る本シリーズ。第10回のゲストは、戦略と組織研究の第一人者として活躍している米倉誠一郎さんです。
現在の日本の企業環境の中で、閉塞感を抱える若いビジネスパーソンたち。しかし、視点を変え、世界を見渡せば、そこには広大なフロンティアが広がっている――最終回となる今回は、ビジネスパーソンはいかにグローバルなビジネス市場を見るべきか、そしてどのように成長を遂げていけばいいのかについて語っていただきました。

世界のムーブメントは「脱欧入亜」。その視点から世界を見渡せば、フロンティアが広がっている

-明るい未来像が描けないビジネスパーソンが、活路を見いだすためのヒントはありますか?

先が見えないと感じるのは、先が見えないところにいるからです。繰り返しになりますが、アジアなどの成長領域に自分を位置づければ、未来像は自ずと描けます。日本には技術があり、ヒューマンリソースがあり、お金があるんです。これらを持って、急成長する市場に打って出ればいい。

米倉誠一郎さん(一橋大学イノベーションセンター長・教授)

私は2009年にヨルダンで開催されたWANA(西アジア・北アフリカ)会議に出席しましたが、中東の人たちは自分たちの地域を「ミドルイースト(中東)」とは呼びません。「ミドルイースト(中東)」は、ヨーロッパ人の視点による呼び名だからです。彼らにとって中東は「ウエストエイジア(西アジア)」、あるいは「ノースアフリカ(北アフリカ)」なんですね。かつて福沢諭吉は、アジアを脱して欧州列強の一員になるべきだと「脱亜入欧」を説きましたが、今はまったく逆で、世界のムーブメントは「脱欧入亜」。その視点を持って世界を見渡せば、フロンティアが広がっているんです。日本のすばらしい技術をもってすれば、さまざまなソリューションビジネスの展開が可能でしょう。例えば、私はWANA会議で西アジア地域に新幹線を走らせることを提案しました。メッカには毎年7000万人が巡礼に集まりますから、新幹線の需要はあるでしょう。日本の新幹線を売るということは、掘削技術、電力網、稼働システムなど関連する技術をすべて売れるということを意味します。こうしたソリューション型のビジネスに取り組めば、日本は十分に明るい展望が開けると思います。日本人は、世界の中で華僑、印僑に次いで“倭僑”と言われるくらいの存在感を持てるよう、ビジネスにどん欲になるべきです。

日本にとどまっていれば、それはラクでしょう。空気はいいし、食料は安いし、電車は定刻どおりにやってくる。トイレにはウオッシュレットがついている。わざわざ海外に出て行きたくないと思う気持ちも分かりますよ。しかし、内にこもっていては見るべきものが見えなくなってしまいます。自分たちが今、どんな世界に生きているのか? 世界では、日本と真逆のことが起きているんです。日本は人口が減っていますが、世界は人口爆発という問題に直面しています。食料不足や水不足が深刻な問題なんです。日本はデフレですが、今アメリカや中国が一番恐れているのはインフレ。こうした世界の状況を肌身で感じるためにも、実際に海外に出てみることが必要だと思います。

成長するには、「研修で育ててもらう」のではなく、仕事を与えてもらえる環境に身を置くこと。人手不足の会社は最高の環境

-仕事で成果を上げる人材になるためには、どんな点に留意すべきでしょうか? 若手ビジネスパーソンへのアドバイスをお願いします。

私は、研修を受けて成長したという人に会ったことがありません。人が育つのは仕事をさせてもらった時であり、仕事をさせてもらわなければ成長はできないのです。ですから、成長するには「研修などで育ててもらおう」と考えるのではなく、仕事を与えてもらえる環境に身を置くことが重要だと思います。

その意味で、人手不足の会社は最高の環境です。私は学生に「大企業には行くな」と言います。ジャイアンツに入団して、4番バッターになる可能性は非常に低い。ベンチ入りもできないような会社に行っても、仕方がないでしょう?

それなら、弱小球団に入ったほうがすぐに先発で試合に出られる可能性が高い。どんな人材も、使われて初めて伸びるんです。大企業に入ってなかなか使ってもらえないより、明日から使ってくれる会社を選んだほうがいいと思います。特に新卒の場合は、まったくの未経験なわけですから、すぐに仕事を与えてくれるのは小さい会社しかないでしょう。

佐藤文男さん(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)

中小企業を狙うなら、私は「経営者を見ろ」と言います。普通に中小企業の採用試験を受けて面接でミドルマネージャーに会ったところで、なかなかおもしろいとは思えないでしょう。もともと、中小企業には優秀な人材が集まりにくいわけですからね。だからこそ、早くから活躍できる可能性が高いともいえます。自分が大企業で役員になるのと中小企業で役員になるのと、どちらが実現できる確率が高いかを考えてみてください。成長分野でおもしろそうなビジネスをしている中小企業に行って「社長に会わせてほしい」と言って、ビジョンを聞いてみることです。共感したら、飛び込みましょう。断られても、すぐ次の会社に当たればいいんです。自分を安売りする必要はないと思います。

Profile 米倉誠一郎(一橋大学イノベーションセンター長・教授)
1953年生まれ。1977年に一橋大学社会学部、1979年に経済学部を卒業。1981年、一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。1982年に一橋大学商学部産業経営研究所助手、1984年に同専任講師、1988年より同助教授。1990年にハーバード大学にて歴史学の博士号を取得。1995年に一橋大学商学部産業経営研究所教授に就任。1997年より一橋大学イノベーション研究センター教授。1999年より2001年まで同センター長、2008年から再び同センター長。季刊誌『一橋ビジネスレビュー』編集委員長も務める。専門はイノベーションを核とした企業の経営戦略と発展プロセス、組織の史的研究。『脱カリスマ時代のリーダー論』(NTT出版)、『経営革命の構造』(岩波書店)等、著書多数。

Profile 佐藤文男(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)
一橋大学法学部を卒業後、総合商社、外資系証券会社、メーカーといった異業種においてキャリアを積み1997年に人材サーチ(ヘッドハンティング)ビジネスへ。2003年に佐藤人材・サーチを設立。
著書は共著1冊を含め転職に関する本を12冊出版。主な著書に『40歳からの転職術」(日経BP社)、『ヘッドハンティング・バイブル』『転職後、いい仕事ができる人の条件』(共に経済界刊)。今年3月に『転職のバイブル2012年版』を経済界より出版。
佐藤人材・サーチ ホームページ: http://www.sato-jinzai.com/


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