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職場のメンタル危険サイン 【鈴木安名】 [2010.11.04]

イマドキの若手の傾向と対策(その2)-“白黒思考”が病気を招く-


職場のメンタル危険サイン(8)
鈴木安名
(産業医)

メンタル不調はだれもがなるわけではありません。なりやすい人では、ものの考え方やとらえ方、すなわち思考パターンに特有な偏りがあります。今回は若手で増えている、“二分思考(白黒思考)”について述べます。

CASE8:偏った思考パターンを持つ若手社員

人事部の鈴木勇太さん(31歳、男性)は管理職に対するメンタルヘルス研修を企画して、参加者目標を30名に設定しました。残念ながら参加者は24名でしたが、質問がたくさん出て、参加者の満足度も高く、課長からは『全体的には成功じゃないの」とコメントしてくれました。
しかし、鈴木さんは『目標数に達せず失敗も同然、我が社の管理職はメンタルへの関心がないのか!?』と落ち込んでしまいました

若手社員が持ちがちな”白黒思考”とは?

1.二分思考とは

このケースのように、仕事やプライベートでの出来事を、常に白黒で考える思考パターンを二分思考といいます。ほとんどのメンタル不調には多かれ少なかれ二分思考がみられます。

*ものごと全体をみないで、成功-失敗、勝ち-負け、敵-味方、信頼-不信、愛-憎など対立する2つのどちらかに決め付ける見方。

①トータルな見方ができない

このような人々は、対人関係を敵-味方に色分けしがちです。例えば、『課長は優しい人(味方)だけどグループリーダーは嫌な人(敵)』というような感じです。

厳しいけれど丁寧に教えてくれる上司とか、普段は優しいけれど、ルール違反にはものすごく厳しい先輩、というトータルな見方ができないので、自分にとって嫌な部分が目に付くと、そこに目が奪われ、客観的にはストレスでないことまで負担に感じてしまう。

②自責と他責

仕事のミスやトラブルには、いろいろな背景や原因があるのですが、総合的に考えられず、自分だけの責任、もしくは自分以外の人や環境が原因と決め付けてしまうのも二分思考です。

・自責パターン
ミスをした時『すべて自分が悪い』と考える人は、一見、謙虚な人と思われがちですが違います。個人のミスや事故のように見えても、背景にはしばしばシステムの不具合やマニュアルの不備などの、組織上の問題が隠れていることが多いので、私たちは集団で改善活動や作業手順の見直しを行うわけです。

だから、自責パターンは度が過ぎると、職場(組織・チーム)を無視した自己中心的、すなわち傲慢な発想に至ってしまうのです。

・他責パターン
逆に自分のミスなのに、なんでも人の責任にする人は、図太くてタフと思われますが、実は逆で、ストレス耐性が低い場合もあります。この他責パターンが若手に増えています。

こういう人は、人間関係での支配欲が強く、管理職ではパワハラ的なマネジメント(連載第5~6回参照)に陥りやすい傾向があります。

思いどおりに仕事が進まないと、他人が信頼できないので、ストレスを抱え込むことになります。意外なことに、他責パターンの人は自分の問題点を棚上げにして、上司や先輩に依存的になることもあります。

『先輩は仕事を教えてくれない』『上司は大事な仕事を任せてくれない』という受身的な若手が増えています。

③トータルな見方が大切

自責-他責という二分思考のパターンは、結局のところ、上司や同僚を信頼できず、組織(=チーム)の一員としての自分をも認めることができないことから、ストレスを抱え込みやすくなります(下図参照)。したがって、人間関係をトータルな視点がとらえられるようにすることが真の解決策です。

「自責」も「他責」も、組織やチームに目が向いていないという点で同じ

2.OJTでの二分思考の修正

二分思考は子どものころにできる未熟な思考パターンなので、修正するには時間がかかります。

ことわざや格言には二分思考を修正するヒントがあります。仕事の区切りがついた時、次のようなことわざを出し、苦労をねぎらったり、注意を与えたりするとよいのです。

・急がば回れ
・楽は苦の種、苦は楽の種
・嘘から出たまこと
・名を捨てて実を取る
・勝負に勝って相撲に負ける(角界のことわざ)

これらのことわざが本当に理解できる人はよい意味でのオトナで、心は柔軟、メンタルはタフといえるでしょう。


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