人事・労務の課題解決サポートサービス

No.90

2016.10.31

Sounds Good!
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従業員主権の人本主義の光と影




濱口 桂一郎

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)
主席統括研究員

 今回は法政策のこまごましたディテールから少し距離をとり、近年の日本の労働法政策がなかなか解決できない問題の根源にあるもの――私が「メンバーシップ型」と呼ぶ労働社会の在り方――の哲学的基礎を成す、ある社会的イデオロギーについて考えてみたいと思います。それは、一橋大学名誉教授で現在は東京理科大学教授を務める伊丹敬之氏の「人本主義企業」論ないし「従業員主権企業」論です。

 1987年に伊丹氏が著した『人本主義企業』(筑摩書房)は、企業を(商法の言葉通りに)お金を出している人のものだとする「資本主義」に対して、現実の日本社会でそう考えられているように企業で働いている人のものだとする「人本主義」という鮮烈な概念を提示することで話題を呼びました。当時は日本経済のパフォーマンスが世界中で高く評価されていた時代であり、彼の議論は結果によってその素晴らしさがあらかじめ保証されている日本的経営の原理を、日本国の法律の明文の規定に反する現実...

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