講座概要
歴史的な人手不足に伴い、企業間での「人材争奪戦」がかつてない激しさを増しています。昨今の物価上昇を受けたベースアップの波や、初任給の引き上げ競争など、労働市場のトレンドは急速に変化しており、優秀な人材の採用や定着には「魅力的な賃金提示」が不可欠な時代になっています。しかし、多くの人事担当者が「これ以上の賃上げは総人件費を圧迫するのではないか」「他社と比べて自社の水準は適正なのか」というジレンマに頭を悩ませています。
そこで注目を集めているのが「絶対額基準」の賃金制度です。従来の「前年からいくら上げるか(率や幅)」という視点ではなく、「市場水準に対して、いま、いくらに設定するか(絶対額)」という金額基準の考え方がポイントです。
本講座では、今後も継続的なベースアップが予測されるこれからの時代に、人事部として必須となる「総人件費管理」と「賃上げ」を両立させる具体的なロジックを解説します。「賃上げしても、退職者との相殺によって総人件費が増加しない仕組み(人件費再循環)」、人材を経費ではなく投資と捉え、1人当たりの付加価値を高めていく利益配分の考え方までを体系的に整理して解説します。激動の労働市場を勝ち抜き、自社の成長を牽引する次世代の賃金戦略を提示します。
※WEB受講でご参加の場合は、お申込み前に必ず下記のURLをご確認のうえで、お申込みください。
https://www.rosei.jp/seminarstore/seminar/deliveru
【本講座のポイント】
①市場基準(マーケットプライス)を自社に落とし込む具体策が掴めます
②「人件費再循環」の仕組みを理解し、経営を圧迫しない人件費管理の鉄則がマスターできます
③1人当たり付加価値を高める利益配分の考え方など実務に直結するノウハウを得られます
講座内容
Ⅰ 人手不足の現状と労働人口の推移
必要とされる就労人口に対して実際に働ける人口の減少が著しく、この現象は一時的なものではなく、今後さらに深刻化していく現状について説明します
Ⅱ 国際的に見た日本の賃金と実質賃金の現状
他の主要国は約4%の賃上げを継続しているのに対し、日本は長らく現状維持にとどまっていたため、国際的な賃金水準の地位が低下しています。また、賃上げが物価上昇に追いつけない実質賃金の現状についても確認します
Ⅲ ベースアップの今後の見通し
かつて日本が経験した高度経済成長期のベースアップ(基本給の底上げ)の状況を振り返り、今後も継続することが予想されるベースアップの見通しとその根拠について説明します
Ⅳ 賃金の市場価格(マーケットプライス)
公的機関が公表している初任給、役職別、年齢別の賃金データを解説します。単に平均値に合わせればよいというわけではなく、分布、四分位数、中央値の捉えや活用方法についても説明します
Ⅴ 絶対額基準の賃金制度とは
初任給や役職別の所定内賃金を魅力的なものにするために、市場水準と比べて「いくらに設定すべきか」を判断する絶対額基準の賃金制度を解説します。これは、優秀な人材の獲得と定着の要諦となります
Ⅵ 賃上げしても総人件費は増加しない仕組み
在籍社員の賃上げを行っても、必ずしもその人数分の総人件費が増加するわけではありません。その理由は、高賃金層の退職者の人件費の減少と相殺されるためです。この「人件費再循環」の仕組みを説明します
Ⅶ 継続したベースアップを実現する条件とは
賃上げは「定期昇給」と「ベースアップ」から構成されますが、そのうちベースアップを継続的に実現するための条件を解説します。エクセルで作成した事例を用いて分かりやすく説明します
Ⅷ 1人当たりの付加価値の増加がキーポイント
絶対額基準の賃金制度を導入し、ベースアップを継続するには、1人当たりの付加価値の増加がポイントになります。人材を経費ではなく投資と見た利益配分の考えにも言及します
講師プロフィール
青山人事コンサルティング株式会社 代表取締役
佐藤 純 氏
青山人事コンサルティング株式会社 代表取締役
佐藤 純 氏
【略歴】
慶應義塾大学経済学部卒業、同大学院経営管理研究科(MBA)履修。大手メーカー勤務を経て独立。日本経済新聞のコラムの連載、労務行政研究所の『労政時報』、日本生産性本部の書籍、日経ビジネス等のビジネス誌に多数執筆。労政時報セミナー、日本生産性本部のセミナー講師。主な著書に『同一労働同一賃金への対応』(日本生産性本部)、『雇用形態別 人事管理アドバイス』(新日本法規出版/共著)ほか多数。