講座概要
会社法は、企業活動を健全に運営するための基盤となる法律です。労働基準法や労働契約法などの労働法令は、会社法が定める組織・機関・意思決定の仕組みと密接に絡み合っており、人事労務担当者が会社法を理解することは、労働法令を深く把握するうえで不可欠です。従業員の採用から退職、日々の労務管理全般に携わる中で、会社法における組織の在り方や意思決定プロセスなどを理解しておくことは業務遂行をより円滑にするだけでなく、法的リスクの早期察知と予防にも直結します。本講座では、会社法の基本的な枠組みを理解した上で、各労働法令がなぜそのように定められているのかという背景・論理を経営的視点から解説します。会社法を学ぶことで、より多角的な視点から労務問題を捉え、企業活動全般に貢献できるワンランク上の実務能力が身に付きます。
※昼食はお弁当をご用意しています(来場受講のみ)
※WEB受講でご参加の場合は、お申込み前に必ず下記のURLをご確認のうえで、お申込みください。
https://www.rosei.jp/seminarstore/seminar/deliveru
【本講座のポイント】
①労務・人事に携わる際に必要な「会社の仕組み」の基本を理解し、労働法令の背景にある会社法の論理が把握できます
②各種労働法令を、会社法の機関設計・意思決定プロセスと結びつけて体系的に整理できます
③株主・取締役・代表取締役などの役割・責任と労務との関連を整理し、労務対応における法的判断の根拠を身に付けられます
講座内容
Ⅰ 会社法の全体像と基本原則
1.会社法の目的と基本原則(法人格)
2.会社の形態(株式会社、持分会社等)とその特徴
3.株式会社の設立手続の概要
4.設立時の人事労務管理(労働契約締結、就業規則の整備)
5.定款の重要性(労働関連条項の有無と影響)
Ⅱ 機関設計と労務管理——誰が何を決定するのか
1.株式会社の主要機関(株主総会、取締役会、監査役等)の役割と権限
2.人事労務に関する意思決定は誰が行うのか(就業規則制定、役員選任)
3.取締役の義務と責任(善管注意義務、忠実義務など)
4.監査役の役割と、不正行為発見時の対応(内部通報制度との連携)
Ⅲ 役員と使用人の違い・労働者性の判断——労働法令の適用範囲を正確に把握する
1.取締役・執行役員・部長の労働者性
2.委任契約と労働契約の違い/兼務の場合の留意点
3.役員報酬・従業員給与の法的枠組み
4.役員の個人責任と労災・解雇・パワハラ等
Ⅳ 株式と株主、資金調達の基礎——人事労務と交錯する場面の理解
1.株式の意義と種類、株主の権利義務
2.株主が人事施策に与える影響(配当と人件費)
3.ストックオプションと従業員持株制度の基礎知識
Ⅴ 会社運営と労働問題——経営判断と労働法令の交錯
1.株主総会・取締役会の運営と人事労務案件
2.内部統制システムと労働分野のリスク管理
3.労働組合対応と会社法上の留意点(経営権、支配介入、誠実交渉義務)
4.組織再編と会社法・労働法
講師プロフィール
内幸町国際総合法律事務所 代表パートナー 弁護士
千葉 博 氏
内幸町国際総合法律事務所 代表パートナー 弁護士
千葉 博 氏
【略歴・著書】
東京大学法学部卒業。94年弁護士登録、2008年千葉総合法律事務所を開設、2022年内幸町国際総合法律事務所代表パートナー。
主な著書は、労働法実務相談シリーズ『労働時間・休日・休暇Q&A』『人事担当者のための労働法の基本』(以上、労務行政)、『従業員の自動車事故と企業対応』(清文社)、『スランプに負けない勉強法』(フォレスト出版)、『法律大百科事典』(翔泳社)など多数