講座概要
近年、職場において「指示が伝わらない」「同じミスを繰り返す」「周囲との調和が取れない」といった従業員への対応に苦慮するケースが急増しています。現場は疲弊し、放置すれば組織全体の士気低下やメンタルヘルス不調などのリスクに発展しかねない深刻な課題です。
本講座では発達障害の特性に関する基礎知識から、トラブルを未然に防ぐための具体的な業務指示や指導方法(認知の歪みへの対応)、客観的な記録の残し方を解説します。さらには、最新の裁判例に基づき、企業が負うべき「合理的配慮」の限界点と、改善が見られない場合の解雇・退職勧奨といった対応の判断基準まで、実務に即して解説します。
【本講座のポイント】
①発達障害の特性を理解し、安易な決めつけが招く法的リスクを未然に防ぐ知識が身に付きます
②現場で使える「合理的配慮」の具体的かつ現実的なノウハウを学べます
③企業としての配慮の限界と問題行動が改善しない場合の法的に有効な手順と実務を整理できます
講座内容
Ⅰ 発達障害の基礎知識と決めつけのリスク
1.発達障害の特性
2.素人判断の危険性
3.安易な決めつけが招く名誉毀損・ハラスメントの法的リスク
Ⅱ 現場で求められる合理的配慮と業務指導
1.法律が求める「合理的配慮」とは何か(過重な負担との境界線)
2.なぜ伝わらないのか? 「認知の歪み」を理解する
3.ケーススタディ
Ⅲ トラブル予防の客観的記録と事実共有
1.認識のズレを防ぐための事実共有と面談記録
2.認知の歪みを正す日報活用とフィードバック
3.訴訟リスクに備える注意指導書・警告書の運用
Ⅳ 裁判例に見る解雇の有効性と判断基準
1.能力不足・問題行動を理由とした解雇は認められるか
2.裁判所はどう判断しているか
3.復職トラブル事例
Ⅴ 発達障害に伴うメンタルヘルス不調と「試し勤務」による解決策
1.主治医の「復職可能」診断と職場の現実とのギャップ
2.「論より証拠」で解決する~試し勤務の活用法
3.試し勤務の具体的ポイント
講師プロフィール
杜若経営法律事務所 パートナー弁護士
向井 蘭 氏
杜若経営法律事務所 パートナー弁護士
向井 蘭 氏
【略歴・著書】
昭和50年生まれ。平成9年東北大学法学部卒業。平成13年司法試験合格。平成15年弁護士登録(第一東京弁護士会)。同年狩野法律事務所(現・杜若経営法律事務所)入所。平成21年狩野・岡・向井法律事務所(現・杜若経営法律事務所)パートナー弁護士。主に使用者側の労働事件に関与。経営法曹会議会員(使用者側の労働事件を扱う弁護士団体)。近著に『改訂2版 書式と就業規則はこう使え! 使用者側弁護士が教える74の書式例』(労働調査会)、『管理職のためのハラスメント予防&対応ブック』(ダイヤモンド社)、『3訂版 会社は合同労組・ユニオンとこう闘え!』(日本法令)、『人事・労務トラブルのグレーゾーン70』(労務行政)など多数。