講座概要
私立学校の教員は、公立校の教員とは異なり、労働基準法をはじめとした労働関係法令が全面的に適用されます。しかし、多くの私立学校が労働時間管理で課題を抱えており、近年、教員の働き方の見直しに関心が高まっています。特に部活動指導や進学指導、学校運営の管理は勤務時間外に行われることが多く、適正な労務管理が行われていないケースが少なくありません。そのため労働基準監督署から是正指導を受けるリスクが高く、勤怠管理や残業代支払い等の改善を進める学校も増えています。
本講座では、労働時間管理の問題だけでなく、学校現場における教員の特殊な働き方を前提に、労働関係法令の求める基準に対して適正な人事労務管理をどのように進めていくべきか、他校の運用事例や規定例なども紹介しながら、分かりやすく解説します。
私学の人事労務の実務に直結する諸問題への対応を1日で把握できるため、網羅的に知識を整理したい私学の人事労務担当者の方にお勧めです。ぜひご参加ください。
※本講座ご参加の皆様には書籍『第4版 新版 新・労働法実務相談』(労務行政)、『第4版「労働時間管理」の基本と実務対応』(労務行政)を進呈します。
※WEB受講の方にはセミナー終了後に書籍をお送りします。書籍は受講者情報に入力された住所に発送します。
※昼食をご用意しています(来場受講のみ)
※WEB受講でご参加の場合は、お申込み前に必ず下記のURLをご確認のうえで、お申込みください。
https://www.rosei.jp/seminarstore/seminar/deliveru
【本講座のポイント】
①分かりやすく解説するので、人事労務の経験の浅い人にも理解できます
②トラブル予防に役立つ実務のポイントを紹介するので、具体的な対応が整理できます
③他校の対応事例や規定例も提示するので、実務の参考になります
講座内容
Ⅰ 私学の人事労務をめぐる動向
1.人事労務に関連する近年の法改正、裁判例
2.労働基準監督署による是正指導の状況、対応例
3.私学の人事労務における課題
Ⅱ 労働時間の管理
1.「労働時間の適正な把握」への現実的な対応
2.変形労働時間制の活用事例(1年単位、1カ月単位)
3.部活動や修学旅行等、労働時間の取り扱いルールの整理
4.時間外労働の管理の実務対応
Ⅲ 給与制度の検証
1.教職調整額の引き上げ
2.固定残業代の設定の留意点
3.年功的処遇の見直し(人事評価、昇給)
4.給与規程全般のチェックポイント
Ⅳ 雇用契約に関する課題
1.有期の教職員との間の待遇差の問題(同一労働同一賃金)
2.無期転換制度への対応
3.契約更新時の雇止め、労働条件の見直し
4.定年後再雇用制度の見直し、定年延長を進める際の検討事項
Ⅴ 私立中学高等学校における労務問題への対応
1.ハラスメントの防止、事後対応
2.メンタルヘルス不調による休職・復職時の留意点
3.学外での非違行為への対応
4.懲戒処分の実施における留意点
5.教職員の解雇、配置転換
講師プロフィール

社会保険労務士法人山口事務所 代表社員 特定社会保険労務士
山口 寛志 氏
社会保険労務士法人山口事務所 代表社員 特定社会保険労務士
山口 寛志 氏
【略歴・著書】
慶應義塾大学経済学部卒業、筑波大学大学院ビジネス科学研究科企業法学専攻修了(法学修士)。出版編集、社会保険労務士事務所勤務を経て、2005年社会保険労務士山口事務所を設立、2021年法人化、現在に至る。企業の顧問社労士として日々労務管理のアドバイスを行うとともに企業研修、各種実務セミナーの講師等、幅広く活動。主な著書に『雇用形態・就業形態別で示す 就業規則整備のポイントと対応策』(新日本法規出版)ほか多数