講座概要
2025年6月4日、カスハラ防止策を事業主に義務付ける法改正が成立し、2026年中の施行が予定されています。企業は、自社の社員が取引先や顧客からハラスメントを受けないよう、予防策や対応マニュアルを準備することなど、法改正を踏まえた対応策が求められます。他方、カスハラの原因として、商品やサービスを提供する側の問題も指摘されています。「従業員を守る」だけではない本質的なカスハラ防止策が必要となってきます。
本講座では、改正法の解説をはじめ、裁判例の動向、東京都のカスハラ防止条例、厚労省の企業対策マニュアルなどを紹介しながら、企業が対応すべき実務ポイントをもれなく解説します。
※WEB受講でご参加の場合は、お申込み前に必ず下記のURLをご確認のうえで、お申込みください。
https://www.rosei.jp/seminarstore/seminar/deliveru
【本講座のポイント】
①カスタマーハラスメントの全知識が理解できます
②2026年施行の最新法改正に関する企業対応を指南します
③厚労省対策マニュアル、東京都条例、裁判例など、最新情報を解説します
講座内容
Ⅰ カスタマーハラスメントとは何か
1.BtoB型とBtoC型がある
2.加害側と被害側の対応がある
3.社内のハラスメントよりもカスハラの方がリスクが高い
Ⅱ 最新・改正法の解説(カスハラ防止措置)
1.労働施策総合推進法33条、34条
2.企業に求められる措置の内容
3.実務上、施策を進める際の留意点
Ⅲ カスハラ言動の定義・具体例
1.カスハラに当たるかの判断基準
2.さまざまな行為類型(時間拘束型、リピート型、権威型、SNS投稿型、セクハラ型など)
3. 厚生労働省のカスタマーハラスメント事例集
Ⅳ 企業の対応策
1.事前準備:方針策定、周知・啓発、相談体制、対応手順など
2.事後対応:事実確認、事案への対応、従業員配慮、再発防止など
3.行為類型ごとの対応の仕方を考える
Ⅴ 裁判例に見るカスタマーハラスメント
1.NHKサービスセンター事件(横浜地裁川崎支部 令3.11.30判決)
2.甲府市・山梨県(市立小学校教諭)事件(甲府地裁 平30.11.13判決)
3.まいばすけっと事件(東京地裁 平30.11.2判決)
4. 裁判例から導かれる対策のヒント
Ⅵ カスハラ発生の背景・原因に踏み込む
1.カスハラ対策は「従業員を守る」だけでよいのか?
2.顧客が従業員に怒ってしまう原因
3. 厚労省指針に基づく”要因”に踏み込んだ施策
講師プロフィール
石嵜・山中総合法律事務所 パートナー弁護士
橘 大樹 氏
石嵜・山中総合法律事務所 パートナー弁護士
橘 大樹 氏
【略歴・著書】
慶應義塾大学法学部法律学科、一橋大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録(第一東京弁護士会)。労働法(企業側)を専門分野とし、訴訟、労働審判、団体交渉のほか、人事労務に関する様々な法律相談に対応している。著書・論文に『パワハラ防止ガイドブック』(経団連出版・共著)、『改正労働基準法の基本と実務』(中央経済社・共著)、「同一労働同一賃金 議論を負う」(ビジネス法務)など多数。