講座概要
最近の職場では入社早々から職場に適応できず、仕事の能力が発揮されないだけでなく、周囲に対して不満やクレームを繰り返して他の社員の職務遂行を阻害し、最悪の場合は上司や先輩の心身の不調まで発生させる「問題社員」の事案が発生しています。周囲から問題社員と見られているにもかかわらず、本人にはまったく自覚がないため、改善の指導に反発したり、逆に「パワハラ」だと通報したりします。このような問題社員から職場を守り、適切な労務管理でリスクを回避し、本人への改善指導や教育に取り組むことが企業の課題となっています。
本講座では、具体的事案に基づいて「問題社員」の具体例を紹介し、就業規則等に基づいて企業が取り得る対策を提示します。
※WEB受講でご参加の場合は、お申込み前に必ず下記のURLをご確認のうえで、お申込みください。
https://www.rosei.jp/seminarstore/seminar/deliveru
【本講座のポイント】
➀最近の問題社員の特徴と問題社員が引き起こす職場のトラブルを整理
②問題社員対応に必要な就業規則等の見直しを指南
③タイプ別・具体的問題社員への対応と裁判例の分析
講座内容
Ⅰ 近年の問題社員の特徴・傾向
1.入社してまもなくから仕事に適応できない
2.事実でない被害を繰り返し主張してコンプライアンス窓口に通報する
3.自己中心的で未成熟な行動
4.懲戒解雇の対象となる行為とは異なる問題行為
Ⅱ リスク回避のための就業規則の点検・整備のポイント
1.服務規律の見直し
2.普通解雇条項の整備
3.試用期間の活用
4.業務内容・職責の明確化
5.休職制度の再整備
Ⅲ 実際にあった問題社員事例と企業が取るべき対策
ケース1 被害妄想型
ケース2 発達障害が疑われる社員
ケース3 ネットで副業等を行う社員
ケース4 私生活に問題がある社員
Ⅳ 解決策としての退職勧奨
1.就業規則の解雇・退職理由を整備しても労働契約法16条のリスク
2.適正な合意退職を成立させる退職勧奨の実施
3.業務改善が必要であることを自覚させるために、個別の業務改善計画指導を実施(PIP)
Ⅴ 解雇紛争の金銭解決
1.退職勧奨(合意退職)で解決しない問題社員への対応
2.紛争解決手段
講師プロフィール

第一芙蓉法律事務所 弁護士
木下 潮音 氏
第一芙蓉法律事務所 弁護士
木下 潮音 氏
【略歴】
早稲田大学法学部卒業。1985年弁護士登録(第37期)、1992年イリノイ大学カレッジオブロー卒業、LL.M取得。2004年4月~2005年3月第一東京弁護士会副会長、2010年4月~2013年3月東京大学法科大学院客員教授、2013年4月東京工業大学副学長就任、現在に至る。現在、経営法曹会議常任幹事、日本労働法学会理事。主な著書に『論点体系 判例労働法1 労働契約の基本問題・成立と終了』(第一法規出版/共著)、『ローヤリング労働事件』(労働開発研究会/共著)ほか多数