講座概要
人的資本とは、「人そのもの」ではなく、企業活動において付加価値を生み出すために必要な、従業員が保有する知識、スキル、能力等(これらをまとめて広義のスキルとする)のことです。
2023年は、わが国における「人的資本開示」が形式的には進んだ一年ではありましたが、その実態を直視すると、上記の点の無理解によってかなりおかしな方向にミスリードされた一年でもありました。
わが国の人的資本開示を正しい方向に引き戻すためにも、上記のような「スキル重視」の視点を取り入れつつ、さらには「HRテクノロジー」と「キャリア論」の両方の要素をバランスよく織り交ぜた「持続可能な人事施策」が必要です。
本講座では、「人的資本経営」に関する国内外の最新トレンドを紹介するとともに、これからの人事部や人事担当者には具体的にどのようなアクションが求められているのか、すぐに利用可能なテクノロジーにはどのようなものがあるのか、という実践的な内容を盛り込んだ最新情報をお伝えします。採用、配置、人材開発、組織開発、データアナリスト等々、ほぼすべての領域の担当者が対象です。ぜひご参加ください。
※会場受講者には『最新のHRテクノロジーを活用した 人的資本経営時代の持続可能な働き方』(すばる舎、2024年)を進呈します。
※WEB受講でご参加の場合は、お申込み前に必ず下記のURLをご確認のうえで、お申込みください。
https://www.rosei.jp/seminarstore/seminar/deliveru
【本講座のポイント】
①拙著『人的資本経営時代の持続可能な働き方』(すばる舎)の重要ポイントと具体的実践法を紹介します。
②国内でも本格化する「人的資本経営」と個々人の「キャリア自律」の両立に向けた具体的ステップを整理できます。
③国内企業の「等身大の取り組み事例」で具体な取り組みが理解できます。
講座内容
Ⅰ 「日本の人事」が直面する課題
1.「人的資本」(Human Capital)の本来的意義
2.「持続可能な働き方」とは
3.差し迫った人事課題とそれを解決するための人材要件
4. 2023年までと2024年以降のトレンド
5. 「人的資本開示」とコーポレートガバナンス・コード
6. 「日本型経営」の見直し
Ⅱ 日本型経営・人事に見られる「解」のありか
1.日本社会が抱える共通的な問題
2.個々の日本企業や個人が抱える共通的な問題
3.筆者自らの体験から、原因を考える
4. 元来、日本企業が巧くやれていたことから探る「解」
5. 圧倒的、絶対的に欠けていたこと
6. 温故知新と自我作古
Ⅲ HRテクノロジーの正しい使い方
1.HRテクノロジーの正しい使い方
2.シンガポール政府の取り組み事例
3.HRテクノロジーに対する期待
4.HRテクノロジーの種類と特徴
Ⅳ 今、求められるHR施策の実践例
1.わが国に溢れるありがちな誤解
2.本来のキャリアのあるべき姿
3. 人事部門がリードして企業として取り組むべき具体的事項
4. まず自分から変わる そのための実践、方策とは
5. 人的資本経営時代に求められるスキル
6. 「骨太の人的資本開示」を行うためのアドバイス
講師プロフィール
株式会社SP総研 代表取締役
民岡 良 氏
株式会社SP総研 代表取締役
民岡 良 氏
【略歴、著書】
一般社団法人HRテクノロジーコンソーシアム 理事
日本オラクル、SAPジャパン、日本IBMを経て、現職では「持続可能な働き方」を追求するためのコンサルティングサービスを提供しており、「人的資本開示」(ISO 30414)に関する取り組みについても造詣が深い。
著書に『HRテクノロジーで人事が変わる』(共著、労務行政、2018年)、『経営戦略としての人的資本開示』『戦略的人的資本の開示・運用の実務』(共著、日本能率協会マネジメントセンター、2022年)、『現代の人事の最新課題』(共著、税務経理協会、2022年)、『最新のHRテクノロジーを活用した 人的資本経営時代の持続可能な働き方』(すばる舎、2024年)等がある。