講座概要
施行日を令和6年4月1日として、①無期転換ルール、②就業場所と業務の変更範囲の明示、③裁量労働制の各改正が行われました(令5.3.30 厚生労働省令39など)。
①無期転換ルール改正では、企業は、有期雇用契約の更新上限を(a)契約締結後5年以内とする案、(b)60歳とする案、(c)「上限なし」とする案、などのいずれかを(メリット・デメリットを勘案の上)選択し、契約締結時(更新時を含む)に明示しなければなりません。また、上記改正を踏まえ、有期雇用社員につき「いつ契約終了するのが企業経営上、可能かつ妥当か」を再検討すべきです。
②就業場所と業務の変更の範囲の明示の改正に関しても、すべての労働契約締結時(有期の場合、更新時を含む)に、「就業場所」「業務」の「変更の範囲」の明示が求められます。この改正によって、企業としては、❶配転、➋休職・復職、❸解雇、❹同一労働同一賃金などの場面でのメリットとデメリットを考慮した上で、すべての労働契約(無期、有期、フルタイム、パートを含む)の締結・更新の前に、業務や就業場所についての変更の範囲を決めなければなりません。
③裁量労働制の改正では、とりわけ、専門業務型について、「本人同意」や「同意撤回手続」などを協定書に記載する必要がありますので、協定書フォームの更新と同時に、専門業務型のフローを変更する必要があります。企画業務型についても、指針を含む改正に対応する必要があります。
本講座では、これらの改正への実務的な対応策をわかりやすく解説します。
※WEB受講でご参加の場合は、お申込み前に必ず下記のURLをご確認のうえで、お申込みください。
https://www.rosei.jp/seminarstore/seminar/deliveru
【本講座のポイント】
①無期転換ルール改正への対応策が分かります
②就業場所と業務の限定合意に関する改正への対応策が分かります
③裁量労働制の改正への対応策が分かります
講座内容
Ⅰ 無期転換ルールの改正への実務対応
1.無期転換ルールとは、何か。どのように改正されたのか。
2.有期雇用契約の終了についてのリスク<更新拒絶できないリスク>
3.有期雇用契約の更新上限につき、どうすべきか<(a)契約締結後5年以内、(b)60歳、(c)「上限なし」、などの新設時と変更時>
4.無期転換申込権が発生する契約更新時の、無期転換後の労働条件の内容をどうすべきか
5.無期転換ルール改正への対応策(求人、採用、労働条件、契約更新、契約終了、日本版同一労働同一賃金などの留意点)
Ⅱ 就業場所と業務の変更の範囲の明示の改正への実務対応
1.就業場所と業務の変更範囲の明示に関する改正内容(すべての雇用契約の締結時[更新時を含む]における明示)
2.選択の判断基準❶:配転
3.選択の判断基準❷:休職と復職
4.選択の判断基準❸:解雇
5.選択の判断基準❹:日本版同一労働同一賃金との関係
6.就業場所と業務の変更範囲の有無を、どのような基準で使い分けるべきか(正社員と非正社員での区別、正社員間での区別、など)
Ⅲ 裁量労働制の改正への実務対応
1.専門業務型裁量労働制の改正内容と実務対応
2.企画業務型裁量労働制の改正内容と実務対応
講師プロフィール
多湖・岩田・田村法律事務所 弁護士 ニューヨーク州弁護士
田村 裕一郎 氏
多湖・岩田・田村法律事務所 弁護士 ニューヨーク州弁護士
田村 裕一郎 氏
【略歴・著書】
2002年、長島・大野・常松法律事務所に入所。2011年、多湖・岩田・田村法律事務所を設立。労働訴訟、労働審判、団体交渉等を取り扱う。YouTube「弁護士田村裕一郎 チャンネル(企業・士業のための労働トラブル対応の予防策と事後策)」、にて情報発信を行っている。主な著書に『企業のための副業・兼業 労務ハンドブック 第2版』(日本法令/編著)など多数