2025年11月10日掲載

採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント - 2025年11月

ProFuture株式会社/HR総研
代表 寺澤康介

(調査・編集:主席研究員 松岡 仁)

 ProFuture代表の寺澤です。
 2025(令和7年)年10月17日、東京都人事委員会は、小池百合子知事と都議会に対して「令和7年職員の給与に関する報告と勧告」を提出しました。この中で、2025年度の都職員の月給については、平均1万3580円(3.24%)の引き上げを勧告しており、引き上げ額が3%を超えるのは平成3年度の3.70%以来、実に34年ぶりとのこと。併せて、行政職(大卒程度)の初任給も1万6500円引き上げて24万2000円としています。
 この背景には、賃上げや初任給引き上げが続く民間との格差を是正し、人材確保につなげたい狙いがあるようです。民間のボーナスに相当する特別給についても、民間の支給割合が職員の年間支給月数を上回るとして、0.05カ月分引き上げて4.90カ月としています。過去の特別給の実績を見ると、バブルが完全にはじける直前期には5.45カ月という年度や、さらにさかのぼると1974年(昭和49年)度には5.546カ月+6万6400円ということもありました。
 なお、今回の公民比較に当たっては、国の見直し状況を踏まえて、比較対象となる都内の民間企業規模について、これまでの「50人以上」から「100人以上」への見直しを実施したようです。人事委員会の勧告はそのまま実施されるのが常であり、今回の引き上げ分は今年4月分以降の給与にさかのぼって適用されるとのこと。近年は、採用における公務員人気が低迷してきているほか、若年層の早期離職も増加傾向と言われていますので、公務員の採用においても待遇改善は喫緊の課題となっているようですね。

就活後半はほとんどの就活サイトで活用度低下

 今回は、HR総研が就活口コミサイト「就活会議」と共同で、2026年卒業予定の同サイト会員学生を対象に実施した「2026年新卒学生の就職活動動向調査(6月)」(調査期間:2025年6月3~17日、有効回答:487件)の結果から、活用した就活サイトのほか、個別企業のセミナー・説明会参加や面接の状況などを紹介します。ぜひ参考にしてください。

※以下、同調査結果の割合(%)は、小数点以下を四捨五入して整数で表示しています。

 まず、2026年卒学生が就職活動で活用した就活サイト(複数回答)について、就職活動前半(2024年6月~2025年2月)と後半(2025年3~6月)に分けて確認します。
 就職活動前半で活用した就活サイトの上位10サイトを文系・理系別に見ると、文系では「マイナビ」がトップで74%と、ほぼ4人のうち3人が活用しています[図表1]
 次いで、就活口コミサイトの「ONE CAREER」と「就活会議」がそれぞれ67%、66%と僅差で続きます。どちらも3人のうち2人が活用している割合になります。4位「OpenWork」(44%)、5位「リクナビ」(40%)と続きますが、3位とは20ポイント以上の開きがあります。ともに歴史のある総合型就職ナビである「マイナビ」「リクナビ」ですが、その活用度には34ポイントもの差がついており、最盛期には9割以上の学生に活用されていた「リクナビ」が今や4割程度に低迷している実態を目の当たりにすると、時代が大きく変わったことを感じざるを得ません。また、逆求人サイトの「OfferBox」(31%)が6位にランクインするなど、さまざまなタイプの就活サイトが学生に活用されている様子がうかがえます。
 一方、理系では、「就活会議」(67%)が「マイナビ」「ONE CAREER」(いずれも67%)を僅差で抑えてトップとなっています。これら3サイトは3人に2人が活用している割合となっており、4位以下を20ポイント以上引き離しています。理系では、「マイナビ」の活用度が文系と比べて7ポイントほど低くなっており、「ONE CAREER」と同率で並んでいます。
 また、理系では、「LabBase」(34%)や「TECH OFFER」(26%)、「アカリク」(16%)といった、理系学生に特化した就活サイトの活用が進んでおり、上位10サイト中、これら3サイトがランクインしています。理系学生を採用する企業においては、理系学生特化型の就活サイトの利用は有効だといえるでしょう。

[図表1]文理別 2024年6月~2025年2月に活用した就活サイトTOP10(複数回答)

図表1

資料出所:HR総研×就活会議「2026年新卒学生の就職活動動向調査(6月)」(2025年6月)([図表2~14]も同じ)

 次に、就職活動後半での就活サイトの活用状況を見てみましょう。文系では、「就活会議」が前半とほぼ同水準の67%の学生に活用されているのに対して、「ONE CAREER」(57%)と「マイナビ」(56%)は前半より10ポイント以上も低下しています[図表2]
 「リクナビ」も12ポイント低下し、28%と3割未満となっています。前半と比べてほぼすべてのサイトで学生の活用割合が低下していることから、2025年3月以降は既に内定を取得し、就職活動を実質的に終了した学生が少なくないことをうかがわせます。
 理系ではこの傾向がより顕著に現れ、トップの「就活会議」が50%と半数であったものの、2位「ONE CAREER」、3位「マイナビ」ですら、それぞれ44%、40%と4割台に低下し、「リクナビ」は19%と2割にも満たない状況となっています。文系以上に、理系の就職活動が早く進捗(しんちょく)していることを如実に物語っています。
 数年前までは、就職活動前半では従来からの総合型就職ナビが活用され、後半からは応募企業の選考状況を目当てに口コミサイトが活用されるという構図がありました。しかし、就活サイトの活用方法自体に大きな変化が見られます。その一つが、口コミサイトに前年のエントリーシート情報などが掲載されるようになったため、以前より口コミサイトの活用が大きく前倒しされている点です。皆さんご承知のとおり、年々就職活動(採用活動)の前倒しが進んでいることから、内定取得時期がどんどん早くなってきています。その結果、政府主導の就活ルールで企業の説明会が解禁となる3月1日時点で、既に大半の学生が内定を取得しており、後半は就活サイトの利用が不要となる学生が続出しているというわけです。就職ナビのプレエントリー機能の解禁を3月1日にする意味はもはや皆無といってよいでしょう。

[図表2]文理別 2025年3~6月に活用した就活サイトTOP10(複数回答)

図表2

口コミサイトが活用サイト上位を席巻

 就職活動全体(2024年6月~2025年6月)を通して、最も活用した就活サイトを一つだけ選んでもらったところ、文系では「マイナビ」が39%でトップ、次いで2位「ONE CAREER」23%、3位「就活会議」15%と続きます[図表3]
 上位3サイトの順位は、3月調査(本連載2025年6月)と全く同じ並びとなっています。4位「OpenWork」(7%)、5位「リクナビ」(4%)までを含めた上位5サイトで、全体の88%と約9割を占めます。
 一方、理系のトップは「ONE CAREER」で34%、3月調査において44%でトップだった「マイナビ」は28%で2位となり、順位が逆転しました。文系よりも早く理系において、従来型の就職ナビよりも口コミサイトが学生に積極的に活用される時代が来たといえそうです。かつて筆者自身も従来型の就職ナビの企画・運営に携わっていたことがあり、当時を思い返すと、近年の就職ナビのポジションの変化は非常に感慨深いものがあります。理系の3位と4位は文系と同じく口コミサイトの「就活会議」(17%)、「OpenWork」(6%)が続きます。5位には、理系特化型就活サイト「LabBase」(5%)がランクインし、3月調査において8%で3位だった「リクナビ」は、今回調査では5位にも入っていません。なお、文系同様に上位5サイトで全体の89%と約9割に達しています。

[図表3]文理別 2024年6月~2025年6月に最も活用した就活サイトTOP5

図表3

 最も活用した就活サイトとして割合が高かった3サイトについて、大学区分別の得票率をランキングし、各サイトの特徴を探ってみたいと思います。
 まず従来型就職ナビの「マイナビ」については、「中堅私立大」や「その他私立大」で過半数に上る一方、「旧帝大クラス」や「早慶大クラス」では2割未満にとどまり、上位クラスの大学では得票率が顕著に低いという特徴が見られます[図表4]
 一方、「ONE CAREER」は「旧帝大クラス」で54%、「早慶大クラス」で41%と上位クラスの大学では高い得票率であるものの、「中堅私立大」や「その他国公立大」「その他私立大」では1割程度にとどまっています。「就活会議」については、「上位国公立大」と「上位私立大」で2割を超えていますが、「マイナビ」や「ONE CAREER」ほど大学区分による顕著な違いはなく、満遍なく多様な学生が活用する就活口コミサイトとなっているようです。

[図表4]2024年6月~2025年6月に最も活用した就活サイトTOP3の大学区分別得票率ランキング

図表4

企業情報掲載数が多い「マイナビ」、体験談・ESが充実の「ONE CAREER」「就活会議」

 上位3サイトについて、それぞれどのような点が評価されているのか、学生のフリーコメントを抜粋して紹介します。「マイナビ」は大学からの紹介や、掲載企業数などを含む情報量の多さを挙げる声が多くなっています。これに対して、「ONE CAREER」はエントリーシート(ES)の閲覧や面接対策としての体験談の豊富さを挙げる声がほぼすべてという結果で、「就活会議」も同様に過去のESや体験談等や現況を知ることができる “就活速報” を挙げる学生が多くなっています。

【マイナビ】

操作が分かりやすいから(理系、山形大学)

大学でマイナビの社員の方が説明したから(理系、日本大学)

第一希望の企業がマイナビでの応募だったから(理系、金沢大学)

情報量が最も多い。みんなが使っているから(理系、新潟大学大学院)

企業の情報が詳細に載っているから(理系、岡山大学)

最初に使い始めたサイトだったから(理系、摂南大学)

企業とのやりとりがアプリ内で完結したから(理系、東京都市大学)

マイナビのイベントに参加する機会が多かったから(文系、慶應義塾大学)

学校から活用するよう促されたから(文系、大阪経済法科大学)

インターンシップの応募ができることが多いから(文系、福岡大学)

セミナーなどを多く開催するため、企業研究や企業探しに多く利用していたから(文系、昭和女子大学)

さまざまな企業を見ることができる。一括で楽にエントリーすることができるから(文系、中央大学)

【ONE CAREER】

学生が最も利用している就活サイトだと考えていたから(理系、立命館大学)

ESや面接の対策のために、体験談などをたくさん見たから(理系、北海道大学)

体験談、ES閲覧の際の使い勝手が良いから。他の媒体と異なり、うっとうしい広告が出てこず、確認が必要なメールも少ないため、とても使いやすいから(理系、東京理科大学大学院)

面接対策で利用したから(理系、京都大学大学院)

先輩に紹介してもらい、使いやすかったから(理系、早稲田大学大学院)

選考体験記が充実しており、信頼できるから(文系、慶應義塾大学)

選考の体験談が豊富だから(文系、京都大学)

ES作成や面接対策に使えるから(文系、成蹊大学)

ESや面接対策のときに毎回利用したから。実際に合格した人の体験談が参考になったから(文系、関西大学)

説明会申し込みやエントリーはほとんどがここからだったから(文系、明治大学)

【就活会議】

インターンシップなどの情報を得るために、非常に参考にしていたから(理系、名古屋工業大学)

面接内容の詳細や、選考フローがまとまっていて見やすかったから(理系、岐阜大学大学院)

過去の質問内容とその回答が記載されており、自身の回答と照らし合わせ、改善できたから(理系、日本大学)

就活速報が見やすく、対策になったから(理系、熊本大学大学院)

面接やインターンに関する情報が豊富に掲載されており、情報収集として最も適した就活サイトであったから(理系、東京理科大学大学院)

過去の質問やそれに対する答え方が詳しく書かれているから(文系、関西大学)

他の就活生の選考状況が確認できたため。また、アプリ自体も使いやすかったから(文系、名古屋大学)

就活生のリアルな声が分かるから(文系、南山大学)

就活速報が面接対策に非常に役立ったから(文系、早稲田大学)

文系・理系、大学区分により異なる応募時の重視ポイント

 次に、「応募先企業を探す際に重視するポイント」について見てみましょう(複数回答)。
 文系・理系別に比べてみると、ともに「給与・待遇」が最も多く、文系では60%、理系では56%と6割程度に上っています[図表5]
 これに次いで「福利厚生」(文系50%、理系47%)、「仕事内容」(同48%、42%)などが上位に挙がっています。文系のほうが理系より高い割合となっている項目は「休日・休暇・残業」で、文系で46%、理系で34%となり、12ポイントもの差がついています。その他、「社員の人柄・対応」(同36%、25%)、「転勤の有無・範囲」(同32%、20%)なども文系の割合のほうが高く、文系では特に、「働きやすさ」を重視する学生が多くなっているようです。
 一方、理系のほうが文系より高い割合となっているポイントは、「企業規模」(同22%、31%)や「専攻・自分の強味との関連性」(同12%、21%)で、理系学生のほうが専門性を生かしたキャリア形成を意識する傾向がうかがえます。

[図表5]文理別 応募先企業を探す際に重視するポイント(複数回答)

図表5

 項目を少し絞って大学区分別に見てみると、やはり「給与・待遇」は大学区分に関係なく、5~7割と高くなっています[図表6]
 ただし、その他の項目では大学区分による違いが見られます。例えば、「仕事内容」は、「旧帝大クラス」では54%と過半数に上るものの、「その他私立大」や「中堅私立大」ではそれぞれ37%、35%で4割未満にとどまり、上位クラスの大学区分のほうがより重視する傾向が見られます。逆に「福利厚生」は、「旧帝大クラス」では39%と4割程度であるのに対して、「その他私立大」では63%と6割を超えるなど、上位クラス以外の大学のほうが重視する割合が顕著に高くなっています。その他、「休日・休暇・残業」は上位クラス以外の大学のほうが顕著に高く、「社員の人柄・対応」は上位クラスのほうが比較的高い一方、「人事の人柄・対応」は上位クラス以外の大学のほうが総じて高くなっているなどの違いも見られます。
 自社のターゲットとする学生がどのような区分の大学に所属しているかを考慮して、ターゲット層に向けた適切なアピールポイントを検討するのも有効だと思われます。

[図表6]大学区分別 応募先企業を探す際に重視するポイント(複数回答)

図表6

7割の学生がインターンシップ参加企業から内定取得

 数多くの企業がさまざまなインターンシップを開催している中で、学生はどのようなことを軸に据えて参加するインターンシップを選ぶのでしょうか。6~9月の夏期インターンシップと、11月~翌年2月の秋期・冬期インターンシップで比べてみます。
 夏期インターンシップで最も重視された軸は(複数回答)「企業理解が深まるか」(71%)で7割を超え、次いで「業界理解が深まるか」「本選考への優遇があるか」がいずれも57%で6割近くとなっています[図表7]
 「職種理解が深まるか」は43%と4割程度にとどまっている点から、「ジョブ型」が話題になることが多い昨今でも、学生の中では職種へのこだわりはまださほど高くなっていないといえそうです。なお、最も割合が低かったのは「採用直結か」(18%)で2割を下回っています。
 一方、秋期・冬期インターンシップで最も重視された軸は(複数回答)、「本選考への優遇があるか」で、夏期と比べると13ポイント増加して70%と、7割にも上っています。インターンシップにせっかく参加するのであれば、業界理解や企業理解だけでなく、選考ステップの免除であったり、早期選考への参加権であったり、選考に有利になる特典を得られるインターンシップが好まれている実態が浮かび上がってきます。同様に「採用直結か」も夏期と比べて9ポイント増加して27%と、3割近くに達しています。逆に「企業理解が深まるか」などの理解促進系の軸は軒並みポイントを落としています。学生は秋期以降のインターンシップを “就職活動の準備ではなく就職活動そのもの” と捉えている様子がうかがえます。

[図表7]インターンシップ選びの軸(複数回答)

図表7

 では、インターンシップに参加した企業での本選考の結果はどうだったのでしょうか。インターンシップ参加した企業における内定状況を文系・理系別に比較した結果が[図表8]です。
 選考の結果、「内定が出た」のは文系で70%、理系では73%といずれも7割を超えています。一方、「内定は出なかった」は、文系18%、理系19%と2割未満で、インターンシップへの参加は確実に本選考に有利に働いていることをうかがわせます。

[図表8]文理別 インターンシップ参加企業の内定状況

図表8

 6月初旬時点で既に内定を取得している学生を対象に、内定を受けた時期について、インターンシップに参加した企業と参加しなかった企業に分けて比較してみると(複数回答)、「インターンシップ参加企業」からの内定は「2024年9月」ごろから出始め、「2024年12月」では31%、「2025年2月」では39%と4割近くに上っています[図表9]
 一方、「インターンシップ不参加企業」からの内定は「2025年1月」までは1割程度にとどまり、「2025年2月」から一気に増加し26%と、4分の1程度に達しています。その後、「2025年4月前半」まで同程度の割合をキープし、その後も「インターンシップ参加企業」より高い割合が維持されて推移しています。この結果から、インターンシップに参加した企業については、参加しなかった企業より比較的早期に本選考を受験し、内定も早い時期に得られている状況にあることがうかがえます。

[図表9]インターンシップ参加の有無別 内定を受けた時期(複数回答)

図表9

大学区分により異なる個別セミナー・説明会の参加時期

 次に、個別企業セミナー・説明会への参加時期について、傾向を見てみましょう(複数回答)。文系・理系別に見ると、「2024年11月」までは文系より理系のほうが高い参加率となっています[図表10]
 理系では「2024年6月」から49%と半数近くの学生が参加し、「2024年10月」と「2024年11月」がピークでそれぞれ51%、52%と半数以上が参加しています。その後、「2025年1月」に参加率は3割台に低下し、「2025年3月」では2割台にまで低下し続けています。一方、文系では「2024年12月」以降は理系よりも参加率が高くなり、「2024年12月」に54%とピークとなった後、「2025年2月」まで同程度をキープして、「2025年3月」でも47%と半数近くに上っており、同月の理系の割合のほぼ倍となっています。この結果から、理系は2024年内まで個別企業セミナー・説明会に参加する学生が多い一方、文系は2025年3月まで参加する学生が多い傾向にあることがうかがえます。

[図表10]文理別 個別企業セミナー・説明会への参加時期(複数回答)

図表10

 個別企業セミナー・説明会への参加時期を大学区分別に見ると(複数回答)、「旧帝大クラス」では「2024年6月」の参加率が最高で58%と6割近くに上り、「2024年8月」まで5割近くをキープして、全大学区分の中で最も高い参加率となっています[図表11]
 一方、「その他私立大」では「2024年6月」「2024年7月」の参加率は、それぞれ22%、26%と2割台にとどまり、全大学区分の中で最も低い参加率となっています。「2024年8月」から参加率が徐々に高まり、「2024年10月」で4割、「2024年12月」が53%でピークとなり、「2025年3月」でも50%と高い割合となっています。同月の「旧帝大クラス」は21%にとどまり、30ポイント近い差が開いています。
 特定の月に注目して比較してみると、「2024年6月」では、「旧帝大クラス」58%、「早慶大クラス」53%、「上位国公立大」「上位私立大」がいずれも48%と上位クラスは半数程度から半数以上が早期に参加しています。他方、「その他国公立大」37%、「中堅私立大」33%、「その他私立大」22%と、上位クラス以外の大学区分では2~3割台にとどまっています。この差は徐々に解消されていくものの、「2025年3月」では、「旧帝大クラス」21%に対して、「上位私立大」41%、「中堅私立大」47%、「その他私立大」50%と、上位クラスほど参加率が低くなっています。
 このように、上位クラスの大学区分では、特に「2024年8月」までの早い時期に参加する学生が多く、一方、それ以外の大学区分の学生は「2024年11月」以降の比較的遅い時期に参加する割合が高くなるという、大学区分による学生の参加時期に違いがあることが分かります。

[図表11]大学区分別 個別企業セミナー・説明会への参加時期(複数回答)

図表11

早慶大クラスの面接ピークは「2024年12月」

 最後に、面接に関する調査結果を確認します。
 面接を受けた企業数を文系・理系別に見ると、理系は「1~3社」が最多で29%とほぼ3割を占め、「4~6社」は24%と2割台となるも、それ以降は社数が増えるにつれ割合は低下し、「15~19社」では7%と1桁台にとどまります[図表12]
 一方の文系では、「1~3社」は16%にとどまり、「4~6社」が最多で21%となっています。「7~9社」から「15~19社」も15%以上を維持するなど、“7社以上” の面接を受けた割合は理系の46%に対して文系は60%と、文系のほうが高くなっています。ここから、理系のほうが文系よりも選考参加社数を絞っている傾向が見られます。理系の就職活動の特徴の一つとして、大学や研究室からの推薦書を持って応募する「推薦応募」が挙げられますが、今回の調査では推薦応募を利用した理系学生は14%(うち推薦応募のみは2%)にとどまっています。「推薦応募」を利用した場合、選考参加社数が少なくなることは容易に想定されます。しかし、この想定を考慮しても、早期に面接した志望度の高い企業で速やかに内定が出て、結果的に多くの企業を受験する必要がなかったという理系が多かったため、文系と比較して選考参加社数が少ないという結果につながったのではないかと推測されます。

[図表12]文理別 面接を受けた企業数

図表12

 面接を受けた時期(複数回答)については、文系・理系ともに「2024年9月」までは2割未満にとどまっていましたが、「2024年10月」以降から徐々に割合が増加し、「2024年12月」は文系では46%と半数近く、理系では58%と6割近くに上っています[図表13]
 その後も「2025年2月」に理系が65%とピークを迎える(文系は同月62%)までは、理系のほうがやや高い割合で推移しながら増加し続けました。文系は「2025年3月」がピークで67%と7割近くに上ります。理系は、「2025年4月」に38%(文系は同月56%)と4割を下回り、「2025年5月」には20%(同39%)まで低下するなど、「2025年4月」以降は文系よりも先に急激に面接を受けた割合が低下しています。

[図表13]文理別 面接を受けた時期(複数回答)

図表13

 大学区分別に見ると、「旧帝大クラス」では「2024年5月以前」での面接受験率が既に11%と2桁台となっており、「2024年6月」から「2024年9月」まで2割前後と、早期から面接を受けていたことが分かります(複数回答)[図表14]
 「早慶大クラス」は、「2024年6月」までは「旧帝大クラス」を下回るものの、「2024年7月」から「2024年12月」まではほとんどの月で「旧帝大クラス」を上回っています。「早慶大クラス」は「2024年12月」に60%でピークを迎え、その後徐々に減少傾向になったのに対して、「旧帝大クラス」は「2025年2月」でようやく68%でピークに達した後、「2025年4月」37%、「2025年5月」20%と急激に減少しました。
 一方、「中堅私立大」や「その他私立大」を見ると、「2024年9月」になってようやく2桁台となり、その後徐々に増加し、「2025年3月」にそれぞれ67%、63%でピークとなり、「2025年4月」でも52%、50%と半数以上の学生が面接を受けています。[図表11]で見た個別企業セミナー・説明会への参加時期と連動するように、大学区分による学生の面接時期にも大きな違いがあることが分かります。

[図表14]大学区分別 面接を受けた時期(複数回答)

図表14

 次回は、引き続き「2026年新卒学生の就職活動動向調査(6月)」の結果の中から、内定や就職意識に関する項目を紹介します。

寺澤康介 てらざわ こうすけ
ProFuture株式会社 代表取締役/HR総研 所長
1986年慶應義塾大学文学部卒業、文化放送ブレーンに入社。営業部長、企画制作部長などを歴任。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。2007年採用プロドットコム(ProFuture)を設立、代表取締役に就任。約25年間、大企業から中堅・中小企業まで幅広く採用コンサルティングを行ってきた経験を持つ。
著書に『みんなで変える日本の新卒採用・就職』(HRプロ)。
https://www.hrpro.co.jp/