株式会社リンクアンドモチベーション 常務執行役員
翔泳社

BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ コンサルタントとして「強い企業づくり」に取り組んできた著者は、企業規模、業種に関わらず「成功の鍵はマネジャーが握っている」と述べる。とはいえ、昨今の管理職は「罰ゲーム化」しているとも言われるように、非常に難しい役割を引き受けており、マネジャーとしては “人手も時間も足りていない” というのが正直な感覚だろう。本書はそうした悩みを抱える現場マネジャーに向けて、メンバー全員が戦力化した「最高のチーム」を実現するためのマネジメントを、「時間の使い方」に注目して解説する。
■ 第1章では「最高のチーム」の要件を定義し、第2章では「頑張っているのに成果が出ない」という組織の問題点として、努力の方向性が間違っている点を指摘した上で、無駄で非効率な仕事を生み出す心理的要因を示している。第3章以降は、本題となる「成果を出すための時間管理術」に踏み込み、有効時間、投資時間、無駄時間の3分類を活用した「掛け算型組織」への転換の目指し方、「最高のチーム」をつくるための武器となる「組織時間設計図」のつくり方と運用方法を詳解する。さらに第5章では、組織変革の3ステップを踏まえ、「赤鼻のトナカイ」のストーリー等のユニークな例を挙げながら、メンバーの高いエンゲージメントを維持した上で変革を実施する重要性を説く。
■ 時間の使い方が改善されない限り、人材が優秀でもチームとして最高の成果を出し続けることはできないと著者は述べる。時間を「投資」として捉え、戦略的に活用することで、チーム全体のパフォーマンスを最大化し、個々のメンバーの成長を促す「時間管理術」を本書から学んでみてはどうだろうか。