株式会社グローセンパートナー 執行役員・ディレクター
日本生産性本部生産性労働情報センター

BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 人事担当者が押さえておきたい基礎知識や用語は多岐にわたる。背景や運用状況を理解するためには最新の統計資料の確認も必要となり、把握が難しいものも多いだろう。本書は、これらの基礎知識や用語について、多くの組織で人事制度構築支援などに携わってきたコンサルタントが、人事部門に初めて配属された担当者や、ある程度経験を積んだ人事担当者に向けて分かりやすく解説するものである。
■ 本書で取り上げる内容は、「人事制度・人材マネジメント」「雇用管理」「労務管理」「働き方」「報酬管理」「人材育成・キャリア開発」「経営層・労使関係」の7テーマに分かれた約50の用語だ。例えば、最初に取り上げる「人事制度」は、人事的な仕組みを総括して指し示すときに使うことが多い用語だが、人事の世界での一般的な使い方は従業員の「処遇」を決定する仕組みを指す。これを体系立てて理解するには、等級・報酬・評価制度の詳細も押さえる必要があるため、それぞれの関連用語においてポイントとなる点も簡潔に説明している。
■ 本書は、用語ごとに数行の定義を示した後、詳細解説を付す構成となっている。詳細解説では、用語の定義や概要、その用語ができた背景、関連する用語や考え方の説明、浸透・運用実態といった要素をなるべく含め、体系的に理解できるようにしている。基本的な用語はもちろんのこと、近年露出が増えている用語(「人的資本」「サクセッションプラン」など)も取り上げ動向を把握できるほか、各章末には「ジョブ型」といった本書では取り上げづらかった用語や筆者の経験則などをコラムとして設け、読み進めやすい工夫を凝らす。「いまさら聞けない」と感じた人事担当者は一読してみてはいかがだろうか。