法政大学経営学部経営学科准教授、一般財団法人サステナビリティコミュニケーション協会 代表理事
千倉書房

BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 持続可能な社会を目指すサステナビリティの取り組みは、企業の競争力を左右する経営戦略そのものであり、機関投資家が企業を評価する際の不可欠な指標となっている。そのような時勢の中、社内におけるサステナビリティの浸透に苦慮する経営者や人事担当者も少なくないだろう。本書は、多様な業種50社のインタビューに基づき、サステナビリティ戦略の社内浸透を促進する「理解→共感→行動」の流れの中で、従業員の行動変容に至るまでのプロセスに力点を置き詳説する。
■ 第1章ではサステナビリティの社内浸透デザインの基本構造を、第2章ではサステナビリティを取り込んだ戦略の特徴を取り上げる。第3章で「考える力」を社内に根付かせる重要性を説き、第4章では個人の経験や気づきを、組織全体の知識や行動の変化へと転化させていく方法を考察していく。ここまでで、サステナビリティと経営との総合、サステナビリティ戦略における要点、実務において解決策を導き出す能力、各個人が実務で得た経験を組織学習で活用するための視点などを広く学ぶことができる。
■ 第5~7章では「理解」「共感」「行動」を実現するための具体策や心構えを解説する。階層別のアプローチを扱う第8章、具体的な社内浸透活動の実施プロセスを提示する第9章、情報伝達の仕組みやコンテンツの作り方を例示する第10章を含め、有名企業の実践事例が豊富に掲載されている点が本書の大きな特徴である。本書で得た知識を、自らの日々の業務にどのように生かせるか反芻しながら、再度目を通すのもよいだろう。経営層を主な読者対象としているが、経営戦略や経営企画を担う人事担当者にも有用といえる。
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サステナビリティ戦略の実装 組織行動を促す「社内浸透」の設計学 内容紹介 サステナビリティは、「伝えた」だけでは実装されない。 本書は、トヨタ、ソニー、丸井グループ、スターバックス コーヒー ジャパン、KDDI など50社以上へのインタビューと、200社超が参加する研究会での継続的な対話・調査をもとに、サステナビリティを「社内に浸透させ、行動につなげる仕組み」を体系的に整理した実践書である。 |
