法政大学キャリアデザイン学部教授、キャリアデザイン学修士
四六判/256ページ/2400円+税/千倉書房

BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 少子高齢化による労働力不足などを背景に、ミドルシニア層(45~59歳)の活躍促進は多くの企業で喫緊の課題となっている。一方で、ミドルシニア期の能力開発・キャリア開発が十分に行われているとは言えず、この時期にキャリアの停滞を感じるビジネスパーソンは少なくない。そこで本書では、「キャリアエンゲージメント」という概念に着目し、ミドルシニアが所属組織の外へと越境し、実践共同体という外部コミュニティーに参加することで、キャリアエンゲージメントを高めていくプロセスを浮き彫りにする。
■ キャリアエンゲージメントとは、組織や仕事の枠を超え、個人が自身のキャリア全体に対して示す積極的な関与の度合いを指す。これを高める過程として、本書では株式会社電通が2020年に設立した「ニューホライズンコレクティブ」(以下、NH)における実践事例を取り上げる。NHには40~60代を中心に多様な専門性とバックグラウンドを持つメンバーが集まり、「共に学び、共に変わる」共創の場を形成している。このNHの参与観察と参加者へのインタビューを通じて、自己変容を遂げる過程を考察し、実践共同体で仲間と学び合う「Co-skilling(コ・スキリング)」が有効であることや、社外での越境経験がワークエンゲージメントを促進することなどを明らかにしている。
■ 本書の後半では、これまでの理論的な内容を実践に落とし込み、10の具体的な行動モデルとして提示している。キャリアの停滞感や将来への不安を感じているミドルシニアだけでなく、人材育成やキャリア開発に取り組む人事担当者にとっても、自社の施策を検討する上で参考になるだろう。
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内容紹介 【目次】 |
