2026年01月23日掲載

BOOK REVIEW - 『職場の断捨離 空間から始める、意思決定の整流術』

やましたひでこ 著
一般財団法人断捨離® 代表 
四六判/264ページ/1600円+税/日本能率協会マネジメントセンター 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ 人事の現場では、制度や仕組みを整えても意思決定が滞り、会議や調整に多くの時間を費やす場面が少なくない。モノへの執着を捨てる「断捨離」という考え方の提唱者である著者は、そうした「判断の保留」や「意志の鈍り」に対し「空間」という視点から切り込み、職場でのさまざまな事柄について “必要か” “不要か” の判断の積み重ねが「風通しのよい行動」につながると主張する。本書は、このような「職場での断捨離」の考え方や効用について詳述する。

■ 第1章では、断捨離を「小さな判断の積み重ね」と定義し、それを実践することで空間が整い、モノや人との関係性の質が向上すると提唱する。第2章では、「断捨離型リーダーシップ」を掲げ、リーダーが “役職への執着” や “情報の独占” を捨てたことで職場が活性化していく過程を解説する。第3章では、取捨選択の判断軸、個人と職場における断捨離の違いなど、断捨離の基本リテラシーを明示する。「はじめに」から第3章まで読み進めれば、職場での断捨離の概要や重要性、実践時の要点をつかめるだろう。第4章の自治体、第5章の町工場の事例では、リーダーや幹部メンバーなど、組織のトップが率先して断捨離に着手している点が特徴的だ。第6章では、断捨離リーダーが手放すべきものや、その具体的な手放し方などを総括する。

■ 著者は、職場の断捨離とは「人を整える前に、“場” を整えることで、関係性をやわらかくし、関係性を調えること」とし、整えることは「見て、問い、気づき、選ぶ」ことから始まると説く。リーダー視点での教示が多い本書だが、“ついつい仕事を抱え込んでしまう” ビジネスパーソンにとっても、業務をより効率的に行い、効果を最大化させるための多くのヒントを得られるだろう。

職場の断捨離 空間から始める、意思決定の整流術

内容紹介
「断捨離とは、単にモノを片づける手段ではありません。
その本質は、『意志を回復すること』にあります」

(第1章より)

断捨離は、モノの片づけからスタートする、「選び直し」です。
一人ひとりが意志をもってモノを選択し、“始末をつける” 訓練を繰り返すことで、決断の先延ばしをしない職場をつくり上げていく、“引き算” の実践です。

モノがあふれるオフィスも、一見すっきり整った職場も、共通して抱えるのは、「決められない」「話が進まない」「なんとなく重い空気」といった「目に見えない詰まり」です。

これらを取り除くことで、一人ひとりの自律心や “ごきげん” が蘇り、組織の自律性と生産性も、飛躍的に高まります。
これは、収益改善、残業削減など、経営やマネジメント課題の解決にもつながる “引き算” です。

本書では、断捨離提唱者のやましたひでこ(著者累計700万部以上)が、

  • 意思決定が早くなる空間づくり
  • 職場の「隠れた淀み」の見つけ方
  • 収益アップ&エンゲージメント向上を実現した企業のリアルな実践ストーリー
  • リーダーが今こそ手放すべきモノと発想

を紹介。物理的スペースと心理的余白を同時にクリアにすれば、働く人の言葉が変わり、行動が変わり、成果が加速します。

一人ひとりが自分軸を取り戻し、組織が変わっていく “選び直し” の道筋を、ぜひこの一冊から。