心理学者(筑波大学大学院博士課程修了/ヒューマン・ケア科学博士)
新書判/192ページ/880円+税/集英社インターナショナル

BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ ビジネスパーソンにとって、職場の働きやすさの大部分は人間関係で決まる。しかし、あからさまにえこひいきする上司、大変な仕事を後輩に押しつける一方で手柄だけは奪っていく先輩など、職場を「憂鬱にする人」の例は枚挙にいとまがない。本書では、著者がカウンセラーとして関わったケースをベースに、職場で起こりがちな人間関係にまつわるトラブルの対応法に迫る。
■ 第1章では上司、第2章では同僚、第3章では部下をテーマに、それぞれ職場組織全体やそこでの人間関係を「憂鬱にする人」の15事例を挙げる。例えば、部下に嫉妬する上司や、人の話を最後まで聞かない後輩について、なぜそのような問題が起こるのか、「憂鬱にする人」の言動の心理的要因や職場特有の環境要因などを踏まえた上で、現実的かつすぐに実践可能な対処法を提案する。第4章では憂鬱にされないために身に付けるべきスキルを紹介。五つの役立つ知識を示し、ストレスそのものへの理解を深めることや自分自身の思考の癖を正すことを促している。
■ 職場を「憂鬱にする人」自身からも相談を受けることがある著者の経験から、憂鬱にする側の心理的背景についても丁寧に解説されており、自分自身が職場を「憂鬱にする人」になっていないかと顧みることもできる。また、自分にとって「憂鬱な人」が、他者にとって必ずしもそうであるとは限らないという点も重要だという。“他者をどう理解するか” は自分の “生きやすさ” に深く関係していると著者は主張する。本書を通じて視野を広げることが、職場を「憂鬱にする人」から身を守るための一手となるだろう。
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内容紹介 職場の働きやすさは、人間関係が9割。あなたの職場に「この人さえいなければ、ストレスなく働けるのに」という人はいませんか。 官公庁や総合商社、議員事務所、中小零細企業、小売業まで、さまざまな職場で1万人以上のカウンセリングをしてきた心理学者が、豊富な実例を挙げ、問題の原因を探り、具体的な解決策を提案していきます。 |
