2025年11月14日掲載

BOOK REVIEW - 『リーダーのためのストーリーテリング入門 90秒で人の心を動かす「語り」のマネジメントスキル』

広江朋紀 著
株式会社リンクソシュール シニアコンサルタント、組織開発コンサルタント 
四六判/232ページ/1800円+税/翔泳社 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ 論理的な正しさよりも共感が求められる現代においては、人の心を動かす “ストーリー” が重要である。しかし、ビジネスシーンでは、論理的に情報を伝えるプレゼンテーションができても、人の感情に影響を与える語りができるリーダーは少ないのではないだろうか。本書では、1000人の経営層を指導した組織開発コンサルタントの著者が、リーダーに必要とされるストーリーテリングのエッセンスを詰め込み、ストーリーのつくり方や語り方を体系的にまとめている。

■ 本書は、リーダーが職場でストーリーテリングを行う代表的な場面を7タイプに分類する。「自分の背景を伝えるストーリー(アイデンティティ)」「協働を促すストーリー(コラボレーション)」「不安に寄り添い勇気づけるストーリー(エンカレッジ)」など、タイプごとに活用シーンや効果、陥りがちな(わな)、実践のコツを解説する(第2章)。語りたいシーンが見つかれば、「ストーリーテリングシート」を1枚書くだけで、90秒で相手の心を動かすストーリーをつくることができる(第3章)。

■ 実際にストーリーを語る際は、聞き手の心を揺さぶる七つの工夫と実例が有用だろう。最終章の第5章では、ビジネスパーソンが職場で語ったリアルなストーリーテリングに対して、著者がコーチ役となってアドバイスしており、より実践的で身近な例として参考になる。自走するチーム・組織へと導いていく必要がある経営者やリーダーにとって、マネジメント力を底上げする一助となるだろう。

リーダーのためのストーリーテリング入門 90秒で人の心を動かす「語り」のマネジメントスキル

内容紹介
90秒でメンバーの心に火をつける
新しいマネジメントスキル

自らの仕事に意味を見出し、メンバー一人ひとりが自走することが求められる時代。
リーダーにできることは何でしょうか。
自発的かつ臨機応変に動くチーム・組織へと導いていくためには、メンバーの感情に働きかけて行動を促す必要があります。
そのためにもっとも効果的なことはストーリーを語ることです。

本書では、ビジネスシーンで人の心を動かすストーリーを語ること、すなわち「ストーリーテリングの技術」を解説します。
ストーリーテリングとひとくちに言っても、「自分の背景を伝える」「協働を促す」「目指すビジョンに導く」など「7つのタイプ」にわけられます。
シーンに応じた最適なストーリーを選択することで最大の効果が発揮されます。

「ストーリーなんて初めてつくる」
「業務連絡以外はじっくり話したことがない」
「いきなり語り出すのもなんだか気恥ずかしい」

そんな方のために本書では、1000人の経営層にストーリーテリングを伝授してきた著者が独自に開発した「ストーリーテリングシート」を提供します。
このシートを埋めていくだけで独自のストーリーがつくれて、90秒程度でさくっと語り出せるようになります。
さらに自分の職場にすぐに応用できる「ストーリーテリングの実例」も豊富に紹介。

ストーリーのつくり方から語り方までを網羅し、最適なシーンでメンバーにもっとも響く言葉を紡ぐための実践的な一冊です。