社会保険労務士、キャリアコンサルタント
四六判/240ページ/1800円+税/アルク

BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 近時は「声を上げていい課題」として認知が進んだハラスメントだが、人間関係から生じるものであるため、なくなることは考えにくい。しかし、各事象のハラスメント該当性に関しての認識を深め、回避策などを知ることで、ハラスメントが発生しにくい、巻き込まれにくい状況をつくることは可能である。本書では、ハラスメントやそれを含む労務相談への豊富な対応実績を有する筆者が、問題の本質と、さまざまなケースの対処法を詳説する。
■ 本書は「基礎編」「実践編」「付録」の三部構成。「職場のハラスメントとは何か」と題した基礎編では、職場のハラスメントの定義や類型、判断基準に加え、職場に与える影響や、ハラスメントが起きやすい職場の特徴を解説する。これらを踏まえた上で、基礎編末尾にある「ハラスメント四象限マトリクス」に自らの労働環境を照らし、「健全な職場」以外に該当する可能性がわずかでもある場合には、「実践編」を読み進め、改善に向けた糸口を探るのがよいだろう。
■ 「実践編」では、「加害をしやすい人」「加害にあいやすい人」について、32のケースを12類型に分けて解説する。「自分を客観視する力が弱い人」「自己主張が苦手な人」などについて、特徴と典型的な行動例を最初に示し、問題点や解決策について言及する構成となっており、気になった類型やケースをピックアップして読み進めるのも一法だ。「付録」は、自らのハラスメント加害リスク、社内や外部の相談先、調停・あっせん制度を確認する際に活用したい。本書は、職場のハラスメントに係る現状把握や、発生・再発の予防のための大きな一助となるだろう。
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内容紹介 セクハラ、パワハラ、マタハラ、ケアハラ、SOGIハラ、就ハラ、ハラハラ……。 「長時間の熱血指導」 ちょっと思い当たることがある方は要注意。 本書は「基礎編」でハラスメントの定義や類型を学び、「実践編」で32の事例とともにさまざまなケースの対処法に迫ります。 加害者や被害者として窮地に陥る前に、ハラスメントの本質を知り、安心安全に働きましょう! |
