株式会社リンクアンドモチベーション エグゼクティブディレクター
四六判/220ページ/2250円+税/PHP研究所
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ エッジソンとは、著者の造語で「エッジ+パーソン=尖った人」を意味する。本書は、「目的を創り、提示できる『エッジソン』」育成の重要性を説いた前著『エッジソン・マネジメント』の発行から5年が経過し、アップデートした取り組みを詳解する。
■ 第1章では、著者が産官学連携教育や地方創生プロジェクト等を通して10年以上実践してきた経験から得た七つのポイントを解説する。「『青田買い』から『青田創り』へ」という、業種や業界を超えた協働による学生育成を重視したコンセプトや、青田創りを通じて企業人が学び、変わり、成長する「リバースエデュケーション」などから、エッジソン創りは人財育成だけでなく、日本企業が世界と戦うための、視座の高い取り組みであることが理解できる。第2章では、エッジソン創りの最新事例として大阪・関西万博の参加型プログラムの一つである「Co Lab Gears(コラボギアーズ)」、通称「コラギア」の取り組みを紹介し、次世代共創リーダー育成のための六つのポイントを解説。第3章では、エッジソン創りを大都市から地方へと広げるに当たり見えてきた課題と、地方でこそエッジソン・マネジメントを行うべき理由を取り上げる。第4章では、働くことにネガティブな大学生へのキャリア教育支援の取り組みとして、企業が大学生に向けて仕事のやりがいなどを語る「しごとーく」の意義と活動を紹介。第5章では、前著で大学4年間と社会人3年間を育成の重要期間「ゴールデンセブン」と呼んでいたところ、これに高校3年間を追加した「ダイヤモンドテン」に拡大したことの理由や、「ダイヤモンドテン」における育成事例(「しごとーく@高校生版」など)を解説する。
■ 本書からは、新型コロナの影響や生成AIの進化など、この5年で日本社会に起きた変化を柔軟に捉え、アップデートした取り組みを学ぶことができる。産官学連携や次世代リーダー育成への関心を高める人事パーソンに手に取っていただきたい。
エッジソン・マネジメント2.0 次代を担う若者を産官学連携で育み、活かす方法 内容紹介 採用難の時代、「日本を、世界で最も若者が育つ社会にする」ことを目指して、リンクアンドモチベーションでリクルーター研修トップの実績を誇る筆者が、採用と育成の最先端のノウハウを綴る。 「人材不足」の逆風が吹きすさぶなか、もはや1社単独で採用や育成をしていく時代は限界を迎えつつある。本書では企業、行政、学校の「産・官・学」の連携で “人財” を創っていく方法を、具体的な事例と共に紹介。 これらのスキームは大阪・関西万博「次世代共創造リーダー育成プロジェクト」の中核コンセプトの一つにもなっており、人材育成業界で注目の活動になるであろう。 |