株式会社グローブハート 組織・人事コンサルティング部長
四六判/240ページ/2000円+税/生産性出版
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 複数の企業で人事業務に従事してきた筆者は、タイトルにある「ひとり人事」を「組織内でひとりか2~3名の人数で、すべての人事関連業務をまわす担当者」と定義する。これに加えて筆者は、“人事部に配属となった新入社員” “45歳を過ぎて初めて人事担当者となった社員” “30歳を転機として人事担当者にキャリアチェンジした社員” といった “初めて人事業務に就く社員” も対象として想定。本書は、このような人に向けて、人事業務のやりがいや仕事内容、組織と人事マネジメントを体系的に説明している。
■ 筆者によると、人事の仕事とは、「幸せな社員(自己効力感を持って働ける社員)をたくさんつくること」である。それを実現するため、本書では6章に分けて「人事としての心得」「俯瞰したものの見方と考え方」を中心に紹介する。第1~3章は、ひとり人事の考え方・働き方・立ち位置に焦点を当て、人事担当者の業務や取り組み姿勢を解説するとともに、大企業の子会社や外資系企業の日本法人、ファミリー企業など、各組織体制に分けて、求められる対応を整理する。第4~5章は、筆者の経験も織り込みながら、ひとり人事の役割・キャリアパスを掘り下げる。最終第6章は、職場の課題解決におけるコツを示した上で、ひとり人事に持ち込まれる「困りごと」「緊急事態」に関するQ&A10ケースを見開き2ページでコンパクトに紹介、具体的な対処法を分かりやすく解説している。
■ 各章末には、その章のエッセンスを含んだ「復習問題」と、理解を深めるための「経営・人事用語」を掲載しており、都度振り返って知識の定着を図りつつ読み進めることができるのも特徴だ。ひとり人事に寄り添い、「人事の基本」と「現場のリアル」の理解にこだわった本書を手元に置き、日々の実務対応に臨んでほしい。
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