2025年06月13日掲載

BOOK REVIEW - 『世界標準の採用』

小野壮彦 著
グロービス・キャピタル・パートナーズ ディレクター 
A5判/528ページ/2700円+税/日経BP 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ 人手不足が加速する中、人材を採用できないという課題は、どの企業も同じようだ。本書は『経営×人材の超プロが教える 人を選ぶ技術』(フォレスト出版)の著者による最新刊で、“「人を採るシステム(仕組み)」そのものを見直したほうがいい企業が多い” 現状に着目し、“目下の「世界標準」を形づくった「世界の採用革命」” 後のモダンな採用システム——「TA(タレントアクイジション)システム」「探索システム」「面接官育成システム」「エンゲージ・システム」「ホリスティック・システム」を中心に、日本企業の課題解決に向けた具体的なノウハウと仕組みづくりを教示する。短編記事の集合体のような構成を取っており、全体を通して読んでもよいし、気になる項目から読むのもよいだろう。

■ 本書は大きく三つのパートに分けられる。第1・2章では、「世界の採用革命」を概観。著者の知見を基に、グーグルなどの一流企業の採用手法を分析した上で、日本企業の課題を浮き彫りにする。続く第3・4章では、そうした課題の解決に向けて、具体的な採用のノウハウと仕組みづくりを解説。人材採用に関わる概念の定義や成り立ちから、スカウトメールの文例や構造化面接の質問リストまで、広く深く説く。第5章では、日本独自の採用革命に向けて提言。人の深層に隠された「伸びしろ」を測る技術を、採用面接に落とし込む方法を詳述する。

■ 読者が “やってみよう” と思えるよう、「使える」一冊になることを意識して執筆に当たったという本書。実務家ならではのリアルかつ実践を意識した分析・解説は、日々採用活動に悩む担当者に役立つに違いない。加えて、人材の異動・配置や育成に携わる人事担当者あるいは企業経営者など、“人材” を扱うビジネスパーソンであれば知っておきたい知識と手法が豊富に盛り込まれている。それぞれの企業に合った「世界標準の採用」を構築する足掛かりになるだろう。

世界標準の採用

内容紹介
劇的な「違い」を生む人材を獲得する方法

御社になぜ、優秀な人材が足りないのか? 米国企業が仕掛けたゲームチェンジ。乗り遅れた日本企業が実装すべきシステムと技術 ——絶賛の声、続々。ビジネスリーダー必読の「人材獲得の教科書」です。ベストセラー『人を選ぶ技術』著者、待望の第2作。