法政大学経営学部教授、労働政策研究・研修機構副統括研究員、長野大学企業情報学部准教授
A5判/282ページ/2800円+税/ミネルヴァ書房
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 本書は、会社経営に欠かせない人的資源管理について、基礎理論の解説や実践的な事例を通じて体系的かつ多角的に掘り下げた入門書である。社員の格付けや賃金管理、配置転換や昇進など、人事制度に関する個別企業の取り組みを紹介する一方、各国との比較やデータに基づいた日本企業の人事制度と慣行の実態、他国企業との相違点や共通点、適切な在り方にも迫る。経営学や労務管理の専門家である著者らの豊富な知識と経験に裏づけられた考察により、12に及ぶ人的資源管理のテーマについて、適切な社員のマネジメントの在り方を基本から学ぶことができる。
■ 全14章で構成される本書は、上記のとおり章ごとに要員管理や労働時間管理、人事評価、福利厚生など、人事労務にまつわるテーマを扱う。例えば、「社員格付け制度」や「賃金管理」の章では、企業がどのようにして社員の序列を決め、給料を設定しているのかを詳細に説明する。また、「労働時間管理」や「教育訓練」の章では、日本企業の現状と課題を浮き彫りにし、改善のための具体的なアプローチを提案している。さらに「多様な人材と就業形態の管理」の章では、派遣社員やフリーランスの管理など、現代の多様な働き方に対応し、ダイバーシティマネジメントを適切に推進するための人的資源管理の方法を紹介する。
■ 各章とも、まず主題となるテーマの基礎理論を平易に解説した上で、具体的な事例や統計データを用いて理解を深める構成を取り、読み進めやすい。「理論」と「実践」がバランス良く盛り込まれているため、基本書として学ぶことも、実務書として日々の業務に活用することもできる。これから人的資源管理を学びたい人事・マネジメント初任者から、ある程度の知識・経験を有するベテランまで、幅広い層に役立つであろう。
内容紹介 人的資源管理の基礎理論の解説から、社員の格付けや賃金管理、配置転換や昇進等の事例紹介、各国との比較、さらにはデータに裏づけられた実態にも迫る。キャリア形成やワークライフバランスの将来設計にも役立つ入門書。 [ここがポイント] |