2025年04月11日掲載

BOOK REVIEW - 『労働法制度ガイドブック』

岡崎淳一 著
公益財団法人産業雇用安定センター理事長、日本大学法学部客員教授、特定社会保険労務士 
A5判/360ページ/3000円+税/日本経済新聞出版 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ 働き方や働く人の価値観が多様化する中、それを支える労働関係の法律も変化が著しい。本書では、労働省・厚生労働省で長年にわたり労働法制改革に携わってきた著者が、その知識と経験を基に、労働法ならびに関連する制度(以下、労働法制度)を徹底解説。すべての企業・職場が関係する雇用と労働の基本ルールについて、制度理解の基礎となるテーマを丁寧に取り上げる一方で、実務対応を意識した詳細かつ具体的なアドバイスを盛り込んでいる点が特長だ。

■ 全7章で構成される本書は、章ごとに人事・雇用管理にまつわるテーマを設定し、多岐にわたる労働法制度を分かりやすく整理・詳説している。第1章では採用のルールから教育訓練の決まり、就業規則、退職・解雇の留意点など、募集から退職までのプロセスを網羅。第2章では賃金に関する最新の規定を紹介する。第3章では休日や時間外労働など労働時間管理にまつわる法令や制度を幅広く取り上げる。第4章では育児・介護と仕事の両立支援、ハラスメント対策をはじめとした職場環境の整備を、第5章ではメンタルヘルスを含めた健康と安全に関する規定を詳述する。第6章では女性、高齢者、障害者、パート・有期雇用労働者など対象別の雇用に関する制度や管理方法を解説。第7章では労使関係と労使紛争について、労働組合やその活動、労働者代表制度に関する知識を整理している。

■ 労働法の枠組み全般をカバーしているため、充実した内容でボリュームはあるものの、要点を簡潔にまとめて解説するなど読み進めやすい工夫がなされている。各章はさらに細かな人事・労務管理項目で構成されているため、気になるテーマ・項目から参照することも可能だ。人事労務初任者だけでなく、経営者や現場管理職、労働に関わるすべての人にとって、労働法制度の理解を深め、実務上の課題・トラブルを解決する手助けとなるだろう。

労働法制度ガイドブック

内容紹介
事業者、労働者が知っておくべき雇用と労働の基本ルールを徹底解説!

働き方改革により労働法制度が大きく変わりました。
また、テレワークや副業・兼業の広がりなどにより、新たなルール、ガイドラインも策定されています。

経営者やマネジャー、人事・労務担当者など事業者も、また働く人も、雇用と労働のルールを知っておく必要が高まっています。

本書は、制度改革に携わった著者が、雇用管理、賃金、労働時間、休暇、労使関係などのテーマに即してルールを詳しく解説する決定版ガイドです。

困ったとき、迷ったときに参照できる1冊です。