神戸大学経済経営研究所准教授、法政大学大学院政策創造研究科教授、神戸大学大学院経営学研究科教授
A5判/256ページ/3200円+税/千倉書房
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 働き方や人材マネジメントをめぐる状況は日々変化している。本書では、昨今の注目テーマについて、先進的な人事施策を展開する12の企業・組織の事例をインタビューから考察する。執筆陣は、若手からベテランまで総勢25人の研究者。各社の取り組みを詳細にまとめるだけでなく、関連する理論的視座や個々の研究者の視点を織り込んでいる点が特徴だ。
■ 全12章で構成する本書では、章ごとにテーマを設定し、該当の施策を展開する企業・組織の事例を取り上げている。例えば、第1章では【人事システム】について株式会社SmartHRを、第7章では【エントリー・マネジメント】について住友商事株式会社を、第9章では【人材育成】についてソフトバンクアカデミア(ソフトバンクグループ株式会社)を紹介するなど、テーマも企業・組織も多岐にわたる。企業の人事管理に関する諸施策という “社会的現実” を理論的に捉えることに注力しつつも、特定の理論の枠組みに当てはめて考察することなく「事例のありのままの姿を描く」よう意を用いることで、読者に “現実” と “理論” を知り、それらの分断や融合に触れ、その面白さを体感してもらう——ことが狙いだ。
■ 本書は研究書という位置づけではあるものの、「人事管理に関する研究や学習のみならず、実務に直接的または間接的に関わっている方々、つまり人事管理に関心を持つ人すべて」に向けて書かれたものであり、実務に当たる人事担当者にも参考になるだろう。各社の先進的かつ特徴的な取り組みは自社への応用を検討できるだろうし、事例から導き出される理論は人事労務の業務に生かせるに違いない。実務家とは異なる “研究者” 視点の事例紹介だからこそ、新たな発見や気づきが得られるのではないだろうか。
内容紹介 先進的かつ特徴的な人事管理を実践する12の企業・組織の取り組みを気鋭の研究者が丹念にインタビュー。 目次 |