人事コンサルタントが人事担当者に薦める必読の書。第3回となる今回は14~20位の計8冊を紹介する。人材育成や労働法、経営者が書いた書籍が登場している。下位にランキングされたとはいえ、顔ぶれは多彩である。
調査要領
- 1. 調査名 人事コンサルタントに聞く 人事部の課題と解決に関するアンケート
- 2. 調査主体 労務行政研究所 ジンジュール編集部調べ(調査機関:株式会社日経リサーチ)
- 3. 調査対象 労務行政研究所が保有する人事コンサルタントのリスト234人
- 4. 調査期間 2011年2月22日~3月7日
- 5. 調査方法 インターネットリサーチ
- 6. 集計対象:63人
※自由記入欄の()内の意味は、左から人事コンサルタントとしての経験年数、事業会社での人事部門での経験の有無、人事部門での在籍年数は通算何年を表す。
例:(10年、ある、6年)
→人事コンサルタントとしての経験年数:10年
事業会社での人事部門での経験:ある
人事部門での在籍年数は通算何年:6年
14位 |
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『人事管理入門』【9票】 |
(今野浩一郎著 日本経済新聞出版社) |
- ● 人事の仕事を行ううえで、基本となる学術的な理論等が網羅されている(6年、ある、16年)
- ● まさに入門書(14年、ある、7年)
14位 |
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『労働法 第9版 法律学講座双書』【9票】 |
(菅野和夫著 弘文堂) |
- ● 労働法規の全般について、簡潔に解説されている。常に手元に置かれるとよい(22年、ある、12年)
- ● 備え付けの書籍として最適である(6年、ある、11年)
- ● 客観的に、正しく理解できる(23年、ある、7年)
- ● 労働法令全体を俯瞰(ふかん)できる(10年、ない、)
- ● 人事スタッフが知っておくべき基本知識が体系的に解説されている、信頼がおける書。何かあったら辞書的に確認できる(20年、ない、)
14位 |
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『EQ~こころの知能指数~』【9票】 |
(ダニエル・ゴールマン著 講談社) |
- ● これからはIQではなくEQであることがよく理解できる(20年、ある、4年)
- ● 人材アセスメントやテストのベースの知識として役立つ(6年、ある、15年)
17位 |
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『仮説思考BCG流 問題発見・解決の発想法』【8票】 |
(内田和成著 東洋経済新報社) |
- ● 問題解決の前に問題の所在がどこにあるかが分からないといけないので(20年、ある、4年)
- ● 常に、仮説をたてて、それを実証することで力が付く(23年、ある、7年)
- ● 思考力向上には欠かせない考え方である(21年、ない)
18位 |
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『人事担当者が知っておきたい、(8)の実践策。(7)つのスキル。―ステップアップ編(人事の青本)』【8票】 |
(労務行政) |
- ● 人事の基本と実践が具体的に学べる(7年、ある、25年)
- ● 新たな入門書ともいってよい。今の若い人にも切り口として入りやすい(14年、ある、7年)
- ● 全般的に整理されており、人事の全体像が見える(3年、ある、12年)
- ● これを読めば人事が分かる。人事の基本と実践が具体的に学べる(6年、ある、9年)
19位 |
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『指導者の条件』【7票】 |
(松下幸之助著 PHP研究所) |
- ● 松下幸之助のリーダー論をケースとして消化すると、とても学べることが多い(14年、ある、7年)
- ● 頭だけの評論家的なコンサルが多い中、日本で実践した経営者の言葉は偉大だ(23年、ある、7年)
- ● 人事担当者に必須の知識を、簡潔で分かりやすく説明している(9年、ある、9年)。
- ● 経営者の条件とは、事業を取り巻く人々への愛情の大きさ。常に勇気を与えてくれる1冊(6年、ある、16年)
20位 |
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『企業内人材育成入門』【7票】 |
(中原淳他編著 ダイヤモンド社) |
- ● 人材開発に際しての心理的側面からの事例・解説に共感(20年、ある、1年)
- ● 人材育成の大切さを改めて実感させられる(20年、ある、4年)
- ● 人材育成のベースとなっている基本的な学術知識を分かりやすく得られる(6年、ある、15年)
20位 |
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『稲盛和夫の実学―経営と会計』【7票】 |
(稲盛和夫著 日本経済新聞出版社) |
- ● 「時間当たりキャッシュ」という、現在のキャッシュフロー会計の本質的視点が得られる(20年、ある、1年)
- ● 人事担当者として数字を認識するのによい(14年、ある、7年)
- ● 稲盛氏は常に経営理念と計数の両方を俯瞰(ふかん)している点がすばらしい(10年、ある、6年)
- ● やはり、経営をやった方の言葉は、説得力がある(23年、ある、7年)