2012年03月01日掲載

人事業務のアウトソーシング活用実態 - アウトソーシングをするに当たっての自社内での課題

 
 Q7  人事関連業務をアウトソーシングするに当たって、貴社での課題はありますか。当てはまるものをすべてお答えください(複数回答)。
 

 ここでは、アウトソーシングの利用にかかわらず、回答者の全員に人事関連業務をアウトソーシングするに当たって社内での課題をたずねた。

 
 ■ 全 体
 

 自社の課題としては「アウトソーシングを委託する業務範囲の特定・切り分けが難しい(業務のマニュアル化・標準化が難しい・面倒)」が53.4%と最も高く、次いで「自社内にノウハウが蓄積できない(自社内で人材が育たない)」52.6%、「結果的にコストが高くつく」35.3%、「個人情報や企業秘密等が流出する可能性がある」26.7%の順である[図表16]
 「その他」として挙げられたものとしては、「経費が硬直化する可能性がある」「コアとなる基幹業務は結果的にアウトソーシングできないと考えている」「関連会社に付き合いで出している業務については、レベルがイマイチだが他社に切り替えられない」「どこの会社でも通用するものではなく、当社オリジナルのものを構築するためにもある程度社内のことを把握している人間が担うべきと考える」となっている。

 
 ■ 規模別
 

  各規模とも順位に多少の変動はあるが、「アウトソーシングを委託する業務範囲の特定・切り分けが難しい(業務のマニュアル化・標準化が難しい・面倒)」「自社内にノウハウが蓄積できない(自社内で人材が育たない)」「結果的にコストが高くつく」の3項目は上位に挙げられている[図表17]
 なお、「これまで当該業務に従事していた社員の扱いに困る」は、規模が大きくなるに従って割合が高くなる傾向があり、3000人以上では33.3%と第3位に挙げられているのが特徴である。

人事関連業務におけるアウトソーシングに関するアンケート調査
労務行政研究所 編集部調査
本調査における「アウトソーシング」とは、単発的に業務を外注したり、派遣社員に業務を依頼するようなものではなく、年間単位など継続的に業務の一部または全部を外部(他社)に処理させるために委託し、委託業務の運営管理は自社以外の場所(他社)において行うものを指す。また、グループ内企業であるシェアードサービス会社へのアウトソーシングは含むが、シェアードサービスセンターのような社内の一組織で業務を行うようなものは含まない。