Q3 | 貴社で、過去3年間に利用したことがあるアウトソーシングの具体的業務それぞれについてお答えください。 |
ここでは、上記Q1で「現在、利用している」もしくは「現在は利用していないが、過去3年間に利用したことがある」と回答した(132社)に対して、人事労務分野の31業務を提示し、そのアウトソーシングの利用状況をたずねた。
■ 全 体 |
過去3年間にアウトソーシングをしたことがある、もしくはアウトソーシングしている業務としては、「給与計算・社会保険業務」が76.5%で最も高い。以下、「管理職研修」50.8%、「新入社員研修」41.7%、「社宅・寮の管理」38.6%などとなっている[図表5]。アウトソーシングの利用傾向としては、大きく給与計算など人事・労務関係の定型業務、教育・研修、社宅・保養所・食堂などの福利厚生、人材の募集・採用の四つの分野に分類できる。
各分野でみると、人事・労務関係では「給与計算・社会保険業務」(76.5%)、募集・採用は「中途採用者の募集」(30.3%)、教育・研修では「管理職研修」(50.8%)、福利厚生では「社宅・寮の管理」(38.6%)が最も多くなっている[図表6]。
なお、「その他」として挙げられたものとしては、「年末調整業務」「新卒採用業務補助(イベント)」「採用書類整理」「共済会・互助会等の申請事務」「確定拠出年金基礎教育」などとなっている。
また、利用率が高い項目に限って、他の業務との組み合わせをみたのが[図表7]である。「給与計算・社会保険業務」を例に取ると、「給与計算・社会保険業務」をアウトソーシングしている企業の中で、ほかに「経費(出張旅費等)の処理」「昇格・昇進試験の実施」「新卒応募者への採用面接」「永年勤続者管理」をアウトソーシングしている企業は100.0%、以下、「休暇・勤怠管理」96.7%、「人事情報の管理」95.2%となっている。
■ 規模別 |
「給与計算・社会保険業務」は、3000人以上75.0%、1000~2999人69.6%、300~999人73.5%、100~299人84.1%、100人未満75.0%と、どの規模でも約70%を超える利用率を示しており、最もアウトソーシングが進んでいる業務といえる[図表8]。
また、「社宅・寮の管理」は3000人以上50.0%、1000~2999人60.9%、300~999人44.9%、100~299人18.2%、100人未満25.0%と、規模が大きい1000人以上で利用率が50%以上になっている。
人事関連業務におけるアウトソーシングに関するアンケート調査
労務行政研究所 編集部調査
本調査における「アウトソーシング」とは、単発的に業務を外注したり、派遣社員に業務を依頼するようなものではなく、年間単位など継続的に業務の一部または全部を外部(他社)に処理させるために委託し、委託業務の運営管理は自社以外の場所(他社)において行うものを指す。また、グループ内企業であるシェアードサービス会社へのアウトソーシングは含むが、シェアードサービスセンターのような社内の一組織で業務を行うようなものは含まない。