Q2 | 貴社が、過去3年間、人事関連業務をアウトソーシングしていない理由について、特に当てはまるものを選択してください(三つまで複数回答)。 |
ここでは、アウトソーシングを利用していない企業(43.1%、100社)に絞って、その理由を探ってみた。
■ 全 体 |
アウトソーシングを利用していない企業の理由は「社内で対応できているので必要ない」が54.0%と最も高く、次いで「費用対効果が期待できない」52.0%、「社内の人材が育たなくなる」33.0%、「情報やノウハウ流出が心配」27.0%、「業務の標準化やマニュアル化が困難」25.0%の順となっている[図表3]。
「社内で対応できているので必要ない」「費用対効果が期待できない」の二つの項目が50%を超えており、他の項目を大きく上回っている。
なお、「その他」としては、「例外事項への対応ができない」「社内規程・細則等に基づく特殊な勤務取り扱いや個別取り扱いが多数あるため、委託先の標準パッケージソフトやシステムでは対応が難しく、カスタマイズ費用や個別対応が必要となる」といった柔軟な対応への難しさを挙げる企業がみられた。
■ 規模別 |
「社内で対応できているので必要ない」「費用対効果が期待できない」の二つの項目は、どの規模でも上位に挙げられている[図表4]。
ただし、1000人以上の規模の場合は、3位以下の回答の傾向が異なる。3000人以上では「余剰人員が発生する」が33.3%で3位、1000~2999人では「情報やノウハウ流出が心配」が36.4%で3位となっている。さらに1000~2999人は「サービスの品質に不安がある(遅延、ミス等が発生する、など)」「アウトソーシングする予算がない(外部支払いを減らしたい)」がともに18.2%で、6位に挙げられている。
人事関連業務におけるアウトソーシングに関するアンケート調査
労務行政研究所 編集部調査
本調査における「アウトソーシング」とは、単発的に業務を外注したり、派遣社員に業務を依頼するようなものではなく、年間単位など継続的に業務の一部または全部を外部(他社)に処理させるために委託し、委託業務の運営管理は自社以外の場所(他社)において行うものを指す。また、グループ内企業であるシェアードサービス会社へのアウトソーシングは含むが、シェアードサービスセンターのような社内の一組織で業務を行うようなものは含まない。