シニア労働者の活躍促進に向けた、
公的給付に依存しない制度設計のポイント
当研究所「高年齢者の処遇に関するアンケート」(本誌第4073号-24. 3. 8)によれば、定年後の再雇用等に際して賃金を一定程度減額する企業は78.9%(「減額漸増」「減額横ばい」「減額漸減」の合計)に上り、依然として主流である。こうした制度が多く導入されている背景には、65歳までの雇用継続を援助・促進することを目的とした高年齢雇用継続給付の存在がある。ただし、2025年4月施行の改正雇用保険法により、同給付の支給率は60歳到達時賃金の最大15%から最大10%へ縮小された。この改正を機に、定年後再雇用者の賃金制度を見直した企業も少なくないだろう。
一方、高年齢雇用継続給付の在り方については、「廃止も含め、引き続き検討」とされている(厚生労働省「労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会報告」)。こうした中、シニア労働者を含め、雇用形態にかかわらず公正な待遇の確保が求められる以上、各人の適性に応じた役割を付与し、それに見合った処遇を行う人事制度を公的給付に頼らず設計していくことが重要である。そこで、今回の改正に伴う高齢者雇用の変化と、シニア労働者の働き方や人事制度の改革方針について、株式会社アクティブアンドカンパニーの八代 智氏に解説いただいた。
八代 智やしろ さとる
株式会社アクティブアンドカンパニー 専務取締役
コンサルティング部長 兼 人材開発グループ長